Episode.32 ページ35
心臓バクバク言ってます。現在進行形です。何せあのギアッチョに顎クイされてるんですよ。何を血迷ったのか知らないけど、こっちはパニックもいいところだ。というかなんか言え！なんで黙ってるの！良いのか悪いのかくらい教えてくれよ！！
｢ギアッチョさーん……離してぇ…｣
眼鏡の奥の瞳が真っ直ぐこちらを見ている。聞こえているはずなのだが、その目が自分を一時も離さないのが凄い。Aならば目を逸らしてしまうだろう。今もそうだ、かなり泳いでる。真っ直ぐな目で見つめられると、なんだか気圧されるし。なんかもうこのまま流されてもいいんじゃあないかって、そんな気にさせられる。
｢お前よォ…｣
｢な、なんでございましょう？｣
｢今くらいに目ェ見開いて、そんで堂々としてろ｣
バシッと背中を叩かれる。その勢いで少し前にぽてぽて歩いてしまったが、脳は完全に止まっていた。しばらく呆然として、そしてようやく出た言葉は
｢…………は？｣
いや、本当に。なんだ、なんなんだ？目を見開いて堂々としろ？それを言うためだけにあんなことをしたのか？マジか。イタリア人ってみんなそんな感じなの？日本人が顎クイとかしたら、なんかすごいときめく台詞言う時だけど？
｢お前は別に顔も悪くねェし、スタイルも……まぁ身長はアレだが胸はあるしな｣
｢喧嘩売ってる？ねぇ？それ地雷だからね？｣
｢お前に足りないのは、自信だって気づけ｣
｢………自信とか、そんなの｣
｢だから言ってんだろォがッ！堂々として、目見開いて、そんで笑っときゃなんとかなる｣
そんなものだろうか。自信なんて、それこそ自分には幸せの次に無いものだ。ネガティヴな自覚はあるけど、治そうにも治せないし。何もかも失敗続きのAが自信を持つのは、意外と難しい。
｢いいか。嘘をつく時、特に、これからやるみてェに人を騙す嘘には自信がなきゃできねェ。少しでも動揺を見せれば怪しまれ、そこからは悪循環だ｣
｢っでも｣
｢でももだってもねェ！！暗殺は常に一発勝負だって忘れんな。それにこの際だ、覚えとけA。自信ってのはなァ、最後の砦なんだ。過去なんかなくても、お前の意志でどうとでもなる。
自信はそのまま、意志の強さだ。
自信がなくなったら、お前の意志を思い出せ｣
行くぞ、そう言って先に進むギアッチョの後ろ姿をAは追った。強い決意をその目に宿して。
(私の意志)
(それはもう負けないこと)
(人にも、幸にも)
(負けない強さ)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まどろみ(プロフ) - トトリさん» 本当ですか！？そう見えているなら良かったぁ。引き続き頑張ります(∵ゞ (2019年2月14日 0時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
トトリ - 主人公ちゃんがちゃんと成長してて すっごく面白いです！ 応援していますよ！！ (2019年2月14日 0時) (レス) id: da96f40f0c (このIDを非表示/違反報告)
謙信様大好き(プロフ) - まどろみさん» あなたの書くギアッチョが好きだ……とても素敵です(*^^*) (2019年2月13日 0時) (レス) id: aa132290f9 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 謙信様大好きさん» コメント励みになります！初めたばかりで何もかも手探りですが、頑張って行こうと思います！ (2019年2月12日 23時) (レス) id: bd256241e0 (このIDを非表示/違反報告)
謙信様大好き(プロフ) - はじめまして。めちゃくちゃ面白かったです(*^^*)これからも頑張ってください(*^^*) (2019年2月12日 6時) (レス) id: aa132290f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まどろみ | 作成日時：2019年2月10日 21時
