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Aside
もう何分車に乗ったままなのか分からない。
ただただピントの合わない窓の外の景色をぼーっと
眺めているだけだった。
俺これからどうなるんだろうな。メガネ新しいの買
わなきゃ。
CY「ねえ」
『ひっ』
いきなり肩を掴まれ思わず声を上げてしまっ
た。
CY「こっち向いて」
有無を言わせぬ圧を感じ、俺は素直にチェヨ
ンの方に体を向けた。
よく見えないがチェヨンの顔がかすかに赤くなって
る気がする。
CY「そ、の...さっきは、ありがとう...ござ
いました」
ん?最後の方何行ってるかわかんなかったぞ?
『まあ大丈夫だったならよし。』
そう言うとチェヨンはホッとしたのか始めて
俺に笑顔を見せた。
うん、さっきの女子達が可愛いと思うのも無理はな
いな。
『で、俺たちは今どこに向かってるんだ?』
CY「私の家。もうすぐつくよ」
え!?これからチェヨンの家に行くのか?大丈夫か
俺お邪魔しちゃって。
CY「仕方ないけどお礼はしなきゃいけないし」
...さっきまでの可愛いチェヨンはどこに行っ
た?
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数分後、チェヨンの家に着いた。
『...でかっ』
その一言に尽きる。でかい。めっちゃでかい。
CY「何ぼーっとしてるの。置いてくよ」
『お、おう...』
自分の身長の倍はあるのではないかという扉をくぐ
る。
CY「こっち」
手を引かれチェヨンに連れてこられたのはどこにで
もあるような散髪室だった。
チェヨンは鏡と向かい合って置かれている椅子を指
差してぶっきらぼうに言った。
CY「座って」
『え、俺何されるの?』
座りながら肩までの長さの金髪を1つ結びにしてい
るチェヨンに鏡越しに問いかける。
CY「大丈夫、腕に自信はある。私の母親を誰だと思
っているの?」
『知らねーよ!それよりお前何する気ーー』
その先の言葉は続かなかった。
彼女はハサミを取り出しながらいたずらっぽく笑っ
た。
CY「イメチェン?」
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チェヨンの母親は名の通ったスタイリストです。
画家の父親とどう出会ったのかは謎です。
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作者名:ラクーン | 作成日時:2019年5月2日 22時