黒薔薇の教祖様Ⅱ (ページ7)

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27話ページ7

1年生歓迎会。3年生が企画をし、学校全体でやることが決定した全く新しい取り組みだった。

3年と2年が合同で屋台や舞台を作る。そしてその大トリには3年生のライブがある。
朝春とユウリは1番最後に2曲やる予定だ。

本当はWhitenote単体でのライブをするつもりだったのだが何処かから情報が漏れ妨害されてしまった。
なので1年生歓迎会という名目でライブをねじ込むことに成功したのだ。

朝「1年生も2年生も楽しめて名誉挽回ライブのリベンジも出来る。最高だとお思いになりませんか！」
ユウ「変なとこで頭回るよな、お前。」

と言いながら両手に焼きそばとカレーライス、頭には射的で当てたであろう宇宙人の触覚を着け、思いっきり楽しんでいる感満載だった。

ユウ「あんだよ。なにか文句あんのか？」
朝「いえ？文句はございませんよ、文句は。」

はしゃいでいるのか少し声のボリューム調節が出来なくなっているユウリを冷ややかな目で見ながら手渡されたたこ焼きを食べる。

朝「それにしても、皆さん楽しまれているご様子。」

学校の中や外、全体的にかなり騒がしくなって来ている校内を見周りほとんどの場所を行き終えたあたりでライブの時間を確認していないことにが気がついた。

朝「そういえばライブって何時からでしたっけ？」
ユウ「あ〜3時かかそこらだったはず、」

それを聞いて朝春は懐中時計を持ち出し確認をする。

朝「……今もう12:30ですけど。」

2人して顔を見詰め合わせひとつ頷く。
そして無言のまま勢いよく走り出した。

2人の衣装はパッと見は簡易的な服だがいざ着てみると3、40分はかかる面倒な服なのだ。

朝「ッ！後2時間。行けますか？」
ユウ「声量調節しながら何とかって感じだな。」
朝「最後のお化け屋敷、行かなければよかったかもしれません！」

未だ脳裏に焼き付いてますもん！とバタバタと更衣室に駆け込む。

そして約25分後、ほぼ同時にカーテンが開いた。

朝「お疲れ様です。ぶつけた腕が痛いです。」
ユウ「おれは膝が痛てぇよ……あとデコ」

と言いながらロングブーツを履く。

そして音程調節をし、もう出番を待つばかり。

『Whitenote〜スタンバイお願い。』
朝「かしこまりました。」
ユウ「っしゃ、クソ教祖の名誉挽回ライブやるぜー」

大声で言うのはやめてくださいよ。と茶化しながらステージに入る。

まさか、あんな事になるとはこの時誰も予想していなかった。
ただ1人を除いて。