黒薔薇の教祖様Ⅱ (ページ4)

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24話ページ4

保健室に着き、鍵を開ける。
ベットに横になりやっと一息つくことが出来た。
乙姫とか言うやつ、やつはユウリを引き抜く気だ。

もちろん、ユウリがあちらに行きたいと言えばどうぞと送り出す。
だが、その気がないなら絶対に離しはしない。
それに乙姫のグループは名前の割にごつい男が多い。
だからなのか騎士に囲まれた姫のように華奢な体躯が目立つ。

あそこにユウリが入れば確かに映える。
口こそ悪いが見た目がいい。
見た目フランス人形と呼ばれる朝春に並んでも劣らない程の端正な顔。

甘いルックスから放たれる低めのテノール、どこぞの国の王子様か？と思わせる程の爽やかな笑顔。

朝「そういえば、なぜそんなに見目のいいのが私と組んでるんでしょう？」

1度疑問に思うと聞かないと気が済まない性格だが、教室には行きたくない。

どうしようかと考えているとガラリと扉が開いた。

『すんまへん……んあ？先生おらん？うぅ……』
朝「どうかなされましたか？」
『んあ！？なっ、だっ、誰や！』

どうも。とベットを囲うカーテンから顔だけを出す。
その姿を見た時、宗から見せられた写真の青年と同じ色の目をしていることに気がついた。

朝「おや、あなた……オッドアイなんですか？」
『あ、そうなんよ……気持ち悪いやろ？すぐ出てくさかい堪忍な……』

と、目を伏せてドアから出て行こうとする。
その背中に私がいつそんなこと言ったんですー？と声をかける。

朝「人酔いですか？そっちのベット空いてるますから、休んで行きなさい。」
『え、でも……』
朝「私、でもでもだってな子は嫌いですよ。」

とベットから出てオッドアイの彼を抱き上げる。
ヒョイっと言う効果音が付きそうなほど軽々と持ち上がる彼を心配しながらベットに運ぶ。

『んあ！んあ〜！降ろしてぇ〜』
朝「降ろしませんよ。大方、入学式で人酔いになったんでしょ。治すには休むのが1番です。」

とベットに降ろし布団を掛ける。
そして自分もベットに戻る。1人で居る時より少し頭痛がマシになった気がする……が、多分わちゃわちゃしていたからだろう。

と考えながらROSARIOの中でもかなりゆったりとした曲を歌う。

朝「〜〜♪〜〜〜♪」

んあ、んあ……と聞こえていた声が急に止んだ。
パッと横を見ると長いまつ毛で縁取られた両目が閉じていた。

朝「……この歌子守唄でしたっけ？」

と呟きながら、自分も眠りについた。