外伝 “α” ページ37
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……………
吹きすさぶ嵐の夜。
扉を開けると、2人の青年が立っていた。
懇願するようなその瞳に
少しだけ考えを巡らせて、
彼らの手を引いた。
……………
静寂の中、ゆっくりと、時は流れていく。
リョーフキーの緑色の瞳は 朧げな視界中、アダムの傷を消毒している“彼”を捉える
次に、自分自身に目を向ければ、腕には 幾重にも巻かれた包帯…
胴の方も確認しようとすると
「やめたほうがいいですよ」
手を止めることなく、顔だけをこちらに向けて
その、黒髪の少年は言った。
「幸い骨は折れていませんが、
右肩は脱臼、左足は肉離れ。あとは全身の傷。特に左脇腹と右肩の傷が深い上に出血量も多いので危険ですね。あとは矢傷の方の処置がまだ終わってないんで…
まぁとりあえず
動かないでください」
彼はこちらを見つめながら、一切の動揺もなく言い放つ。
焦りなど、まるで感じさせないような口調で。
自分は、無意識に問うた。
「………アダムは……？」
「？」
「…………彼は……助かりますか？」
.
自分の視線が捉えた先を見やって、彼は、ああ、と頷く。
そして、徐に部屋の奥に引っ込むと、
程なくして湯気の立ち昇るマグカップを持ってきた。
「はい」
…背中を支えられて ゆっくり起き上がると、
その中には 透明感のある赤みを帯びた液体が、灯りに照らされ、きらきらと光っていた
「紅…茶……？」
「んー…厳密に言うと、紅茶じゃないんですけどね。ここよりずーっと遠くの、東方の国で飲まれている『薬膳茶』というものです。
身体が温まるので、よく眠れると思いますよ。」
………促されるままに飲みこむと、
やわらかな甘みが、口の中に広がった。
すると、
途端に、瞼が重くなる
やはり ここまで無理を押したせいだろうか…
身体が言うことを聞かない
彼は去り際に
視界の片隅で
小さく微笑んだ
.
.
「大丈夫ですよ。必ず、助けますから」
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片頬には、痛々しい痣
だが、そんなことも忘れさせるような
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美しい、笑顔…
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しかし、何か反応するよりも先に
自分は、深い眠りに誘われて
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静かに
目を閉じた
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無気力人間A(プロフ) - コメ失礼します！この小説、読んでて面白いし入り込めるのでとても好きです。文と文の間も狭すぎず広すぎずちょうどいいので見やすいです！まだ1しか読んでないので4まで読んだらまたコメさせていただきます！ (2019年11月18日 15時) (
レス) id: 59ffb7dac7 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - コメントありがとうございます！自分も今まで挑戦したことのない文体で、かなり困惑しながら書いている場面も多いので、面白いと思っていただけて幸いです…！ (2018年6月27日 7時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
N;Re(プロフ) - なかなか無い形態で面白いです。更新応援しています。 (2018年6月26日 22時) (レス) id: 84a3c96542 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - コメントしてくれても…いいんですよ（定期） (2018年6月26日 20時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - レオンブルク聖帝国を聖王国に改変しました。 (2018年6月17日 12時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノズル | 作成日時：2018年4月7日 9時
