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ベポ｢A〜！おーい！？｣
｢出して出して出して出して出して！！！全員殺してやる！！！｣
モルドレッド｢......不味いな。これ以上憎悪が膨らめば、血管が切れて死ぬ。世界会議の主はまだ記憶を引き継げる望みがあるが、ここにいる主が死ねば無駄になる......！｣
ベポ｢じゃあ出してやれよ！？アイアーイ！｣
モルドレッド｢お前らも出さないからな。｣
ベポ｢ついでに出せよ！？｣
シャチ｢そーだそーだ！｣
モルドレッド｢ここで分身を出せば、アヴァロンは二人いると民衆が認識する......人間嫌いの俺からすれば、それが最悪の事態！康イエはたった今死んだ！あの人の死を無駄にできるか！？｣
ベポ｢！｣
モルドレッド｢......門番に気付かれる前に、黙ってくれ。主をこれ以上......苦しませないでくれよ。頼むから！｣
膨らむのは怒り。
怒りだけが主を支配していく。徐々に動きが静かになっていくのは唯一の救いなんかじゃない、最悪の事態の一つだ。
｢......しね...｣
血管は切れてない。ただ泣き疲れ、自分自身の命を削ったことを後悔している。削って自分を強くしたところで、この鎖は簡単に壊すことはできないのに。
モルドレッド｢ごめん...主...もう少しだけ堪えてくれ。水はいるか？ご飯はいるか？たくさん食べよう！ほ、ほら！ユーサーが主のために、女を殺してきた！人間の血を吸えば元気になれる！｣
｢......｣
モルドレッド｢主......オリュンポスで何があったんだよ！？誰が主を追い詰めたんだよ！？俺にとっちゃ、分身も本体も大切な人なんだよ！答えろ！！！｣
柵越しに何を訴えても、主はもう何も答えようとしない。息も切れかけている。
ロー｢どけ。何をすればいい？｣
モルドレッド｢ロー！？｣
ロー｢......死体か。そういやAは、人間の血を吸うことで魔力を補給できるって言ってたな。さっさと輸血の準備をしろ。今の俺は捕虜、やれることは少ない。｣
モルドレッド｢あ、ああ...！今すぐ主に生成するよう頼んでくる！主はどこに！？｣
ホーキンス｢そろそろこちらに着く頃だ。分身の異常に気付いたらしい。｣
モルドレッド｢そうか！すぐに戻る！！｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2022年6月16日 14時
