各々の星に触れる時 / Percy ＆ Oliver ページ6
十七歳の誕生日に貰った腕時計を確認する。この調子でいけば待ち合わせ時間には間に合うだろう。それから、時計の裏側も。そこには、私たち三人で記した、星のマークが。これを提案したのはオリバーで、腕時計の裏に記そうと提案したのはパーシーで。私たちはずっと一緒だった。いや、今でも一緒だ。
ホグワーツ特急がもうもうと煙を上げながら、目的地へとひたすら真っ直ぐに進んでいく。十四年前、私たちはこのコンパートメントで出会ったのだった。まぁ、まだ七月だから明確には十四年前と言えないんだけど。それにしても私たちは、少し特殊な出会い方をした。一年生が個人用の箒を持ってきてはいけないというルールに対して何でだよと怒っていたオリバー、対してその規律の正当性を論理的に長々と述べるパーシー。そんな二人が議論している最悪のコンパートメントの戸を、私が何も知らずに開けたのが出会いだった。埒が明かない議論に新しい登場人物が加わったことで、ますます議論は加熱した。二人は私の意見を求めた。私はよく分からなかったので、
「つまんない規則だけど、規則なら仕方ないよ」
と半ば事なかれ主義というか、委ねるような姿勢を取った。仕方ない、というのがそれまでの私の人生のテーマだったような気もする。才能がないから仕方ない、時間がないから仕方ない、誰かが決めたことなら仕方ない。二人は私に、「結局どっち側なんだ」と詰問された。パーシーは、規則をつまらないと言われたことが腹立たしかったらしく、オリバーは、仕方ないと水に流されたことが腹立たしかったようだ。正直どうでもいい議論に巻き込まれながらも、着実に私たちは友達になっていた。
奇跡的に、私たち三人は全員同じ寮に組み分けされた。勇猛果敢なグリフィンドール。獅子のマークを胸に宿すことになった私たちは、ますます共に過ごす時間が増えていくこととなる。まだ幼かった私たちにある選択肢はどれも少なくて、限られたものだった。歳を重ねる度、その選択肢は増えていく。やがて、人生を左右する選択肢に出会うこととなる──O.W.L試験だ。
もちろん、全力で望むことに違いはない。でも、その中でもなにかに注力して、夢を持つことを求められる。四年生の頃から、私たちは何度もそれを意識させられる。先生たちが何度も仰る以上に、パーシーがうるさいのだ。
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狸ノ木(プロフ) - そると。さん» コメントありがとうございます！ 私も結構気に入っている話なのでそう言っていただきとっても嬉しいです……！ たぶんころっと落ちちゃいますね☺️(そんな機会があればですが！) (2022年4月5日 17時) (
レス) @page37 id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
そると。(プロフ) - 最後のジニーのお話...めっちゃ好きです...あんな言われたら落ちるしかなくない...？？？ (2022年4月5日 1時) (レス) @page36 id: 49e4342c2d (このIDを非表示/違反報告)
狸ノ木(プロフ) - 弁当にトマト入れないでさん» コメントありがとうございます〜！！こんなに素敵な言葉を頂いてもいいんでしょうか……すごく励みになります😭してみたされてみた、また書きたいので出すと思います！ 楽しみにしてて下さい💞 (2022年2月15日 7時) (レス) id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマト入れないで - してみたされてみたまた出して欲しいです！無理だったらすいません!!お話作るの天才すぎ!!めっちゃいいお話だらけ! (2022年2月14日 22時) (レス) id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマトを入れないで - 私もパーシーと、オリバー大好きだから主さんのお話大好きです！ (2022年2月14日 22時) (レス) @page16 id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
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