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「……アマート、アニモ、アニマート、アニメガス」
この数ヶ月、幾度となく口にした言葉は、私の口に自然と馴染んでいた。杖先を自分の心臓にあてがう。そこには紛れもなく、二つ目の心臓が宿っていた。そうして鮮血のような魔法薬を一口飲み込んだ。数秒、まだ変化はやってこない。……数十秒、まだ──。
「あ、っ……！！」
激しい苦痛が私の体を蝕んだ。でも、拒んじゃいけない。痛みに体を委ねながらも、自分の意識だけは守り抜く。恐怖に体を乗っ取られてはいけない。私は私のまま、変身をする、ただそれだけだ。乾いた音がした、杖を取り落としたのだろう。身体が裏返っていくような痛みだ。耐え難い痛みだ。私は痛烈な声を漏らしながら、その痛みにもがいていた。
「A、A！」
チャーリーが私の名前を呼んで、抱き寄せてくれた。大丈夫、とでも言うように背中を撫でてくれている。背中に感じる感触を他人事みたいに見つめながら、私はやがて、一匹の小さなドラゴンになっていた。
＿＿
チャーリーは目を瞠った。腕の中で苦悶に顔を歪めていた、自分より遥かに小さく華奢な少女が、今やびっしりと玉虫色の鱗に体を覆われた赤ちゃんドラゴンになっていたのだから。しかし、その少女の名残はたしかにそのドラゴンの中にあった。多彩色で、奥の方に星が舞っているような瞳を覗けば、彼女の優しさと慎重さが窺えた。
「A……！ ドラゴンになったんだな！」
赤ちゃんドラゴンはくしゃみでもするみたいに小さな炎を吐き出した。オレンジ色の暖かそうな炎だ。ドラゴン好きのチャーリーは、今自分が、偽物であったにせよドラゴンの赤ちゃんを腕に抱えているという事実に頬を紅潮させないわけにはいかなかった。チャーリーは喜色満面で、道行く生徒たち誰彼関係なくドラゴンを見せびらかした。その騒動をマクゴナガル先生が見逃すはずがない。
「ウィーズリー！」厳しい声が飛んできた。「あなたほどドラゴンに詳しい生徒が、実験的飼育禁止令を知らないはずがないでしょう。そちらのドラゴンを──」
「先生、褒めて下さりありがとうございます。でも、この子はAです」
「というと、アニメーガスになれたのですね？」
チャーリーは頷いて、自分のことのように喜んだ。
＿＿
外では未だに雨が降り続いていた。チャーリーは自分の髪をタオルで拭きながら、廊下でAが戻ってくるのを待っていた。
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狸ノ木(プロフ) - そると。さん» コメントありがとうございます！ 私も結構気に入っている話なのでそう言っていただきとっても嬉しいです……！ たぶんころっと落ちちゃいますね☺️(そんな機会があればですが！) (2022年4月5日 17時) (
レス) @page37 id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
そると。(プロフ) - 最後のジニーのお話...めっちゃ好きです...あんな言われたら落ちるしかなくない...？？？ (2022年4月5日 1時) (レス) @page36 id: 49e4342c2d (このIDを非表示/違反報告)
狸ノ木(プロフ) - 弁当にトマト入れないでさん» コメントありがとうございます〜！！こんなに素敵な言葉を頂いてもいいんでしょうか……すごく励みになります😭してみたされてみた、また書きたいので出すと思います！ 楽しみにしてて下さい💞 (2022年2月15日 7時) (レス) id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマト入れないで - してみたされてみたまた出して欲しいです！無理だったらすいません!!お話作るの天才すぎ!!めっちゃいいお話だらけ! (2022年2月14日 22時) (レス) id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマトを入れないで - 私もパーシーと、オリバー大好きだから主さんのお話大好きです！ (2022年2月14日 22時) (レス) @page16 id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
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