． ページ21
「おっ、見つかったみたいだな！」
「え、あぁ、うん。なんかさ、すごい汚れてたんだ」
「本当だな。まぁいい、もう一戦やるか？ あいつらはやる気満々だけど──」
「……僕はいい、ちょっと疲れた」
「チャーリーがいないと盛り上がりに欠けんだけど、仕方ないな」
仲間たちはさっそくクアッフルを投げ、箒で飛び始めた。僕はその場から離れ、深呼吸する。さっき起きたことが未だに信じられない。どうして気付いたら森の外にいて、くアップルを持っていたのか。森の中で見たあの光景は果たして幻覚だったのか。考えれば考えるほど疑問が出てくる。
「A、なんであんなところに──」
無性にAに会いたくなって、気付けば「姿現し」していた。何度も訪れていた、この場所。最近忙しくなってからは来ていない。「オーキデウス」で作った花束を携えながら、墓地を進んだ。ここ辺りは魔法生物関連で命を奪われた人たちの命が弔われている。
Aは卒業後、僕と同じドラゴンキーパーの道へ進んだ。成績は申し分ないし、熱意もあって、彼女の目はいつだって輝いていた。でも、職場には男性が多く、彼女が本当に輝ける機会はなかなかやってこなかった。それでも彼女はくじけずに、「絶対報われるんだって！」と健気に笑いながら雑用も資料作りもこなし、僕にとって彼女は眩しかった。──彼女にチャンスが訪れた。暴走したドラゴンを手懐ける係だ。彼女の同僚が冗談半分で提案したらしい。そして──彼女はやり遂げた。
「ごめん、A」
その結果、彼女はここに埋まっている。遺体は火傷と切り傷だらけで、見る影もなかった。未だにその姿が夢に出てくる。これはAじゃない、ほかの誰かだと何度も言い聞かせたけれど、彼女は二度と現れなかった。
「あの時、僕がその場にいなくて、だから守れなかった──って。言い訳するのは簡単だけど、『守ってやる』って自信持って言えなかったのは僕のせいだよな」
その時の答えは、まだ見つかっていない。
＿＿
3月って実質夏なので夏の話です
宣伝
→ハリポタオタクに80の質問!
皆さんのオタク語りをぜひとも聞きたくて作りました！ 推しへの、ハリポタについての愛を吐き散らかしちゃってください！！！！ 頼む〜〜〜〜〜
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
狸ノ木(プロフ) - そると。さん» コメントありがとうございます！ 私も結構気に入っている話なのでそう言っていただきとっても嬉しいです……！ たぶんころっと落ちちゃいますね☺️(そんな機会があればですが！) (2022年4月5日 17時) (
レス) @page37 id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
そると。(プロフ) - 最後のジニーのお話...めっちゃ好きです...あんな言われたら落ちるしかなくない...？？？ (2022年4月5日 1時) (レス) @page36 id: 49e4342c2d (このIDを非表示/違反報告)
狸ノ木(プロフ) - 弁当にトマト入れないでさん» コメントありがとうございます〜！！こんなに素敵な言葉を頂いてもいいんでしょうか……すごく励みになります😭してみたされてみた、また書きたいので出すと思います！ 楽しみにしてて下さい💞 (2022年2月15日 7時) (レス) id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマト入れないで - してみたされてみたまた出して欲しいです！無理だったらすいません!!お話作るの天才すぎ!!めっちゃいいお話だらけ! (2022年2月14日 22時) (レス) id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマトを入れないで - 私もパーシーと、オリバー大好きだから主さんのお話大好きです！ (2022年2月14日 22時) (レス) @page16 id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
