「 」/ Charlie ページ19
「だから、きっとこの先にドラゴンがいるんだって! ずかんにのってたんだ」
「で、でも……いたらどうするの? あたしたち、たたかうの?」
「たたかう? そんなことしないよ! ドラゴンと友だちになるんだ」
「うん、お友だち……! で、でも、ドラゴンにこうげきされたら?」
「うーん、そのときは──」
その時の答えは、まだ見つかっていない。多分、これから先も見つけられない。いくつ歳を重ねても、何度夏が巡っても、いくらこの場所に来ても。
「 」
空白を埋めるための答えに、まだ自信が持てない。
___
ママとパパ、それからビルに見つからないように窓から家を出る。リュックの中にサンドウィッチが入った箱と水とう、ずかん、何かあったときのためのおもちゃの杖。おもちゃの箒を持って、Aの家まで走った。はっ、はっ。さいきんいっぱい、体力をつけるために走っていたけどそれでもいきが上がる。
「Aー!」
手をふる。Aがまどからかおを出した。
「今いく!」
Aの荷物もぼくと同じようなもので、 ふたりで歩きはじめる。村のちかくにある、森に向かって。 ママには入っちゃだめだといわれてるけど、ドラゴンをさがすにはここが一番だからゆずれない。
二人の背より高い草をかきわけながら前にすすむ。背中にあせがにじんでくる。二人で木の根元にすわって、水とうからつめたい水をのんだ。喉が何度も鳴る。同じタイミングの「ぷはー」。
「──ねえ、ほんとにドラゴンなんているの?」
そして、冒頭の会話に戻る。
それから僕は、僕たちは歩き出す。確かに地続きの世界を歩いているはずなのに、途方もない距離があるように思えた。セイタカアワダチソウは僕たちの視界を遮り、夏草の香りは君の存在をかき消そうと躍起になっていた。目を離したら見失ってしまいそうだから、視界の端にいつでも────
___
「おーいチャーリー、見つかったか?」
「や、まだだ。もうちょっと奥の方にいっちゃってるのかもしれない。探してみるよ」
遠くの方にいる仲間に手を振り、声を張り上げる。それから森の奥の方に分け入り、眩さを放つ赤色を探した。クィディッチワールドカップの熱気はドラゴンキーパー達の中でもおさまらず、最近は休憩時間の度にクィディッチをプレイしていた。この近くにはマグルが住んでいないので、気兼ねなく遊ぶことが出来る。
.→←GIRL MEETS …… ? / Bill & Percy
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狸ノ木(プロフ) - そると。さん» コメントありがとうございます! 私も結構気に入っている話なのでそう言っていただきとっても嬉しいです……! たぶんころっと落ちちゃいますね☺️(そんな機会があればですが!) (2022年4月5日 17時) (レス) @page37 id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
そると。(プロフ) - 最後のジニーのお話...めっちゃ好きです...あんな言われたら落ちるしかなくない...??? (2022年4月5日 1時) (レス) @page36 id: 49e4342c2d (このIDを非表示/違反報告)
狸ノ木(プロフ) - 弁当にトマト入れないでさん» コメントありがとうございます〜!!こんなに素敵な言葉を頂いてもいいんでしょうか……すごく励みになります😭してみたされてみた、また書きたいので出すと思います! 楽しみにしてて下さい💞 (2022年2月15日 7時) (レス) id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマト入れないで - してみたされてみたまた出して欲しいです!無理だったらすいません!!お話作るの天才すぎ!!めっちゃいいお話だらけ! (2022年2月14日 22時) (レス) id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマトを入れないで - 私もパーシーと、オリバー大好きだから主さんのお話大好きです! (2022年2月14日 22時) (レス) @page16 id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
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