You always make me happy . / George ページ14
注意 名有りのモブが出ます
__
ホグワーツに来て、友達が出来て、流されるように色んなことをしてきた。今日もそんなわけで、バレンタインのチョコを作ったわけだ。彼のことは好きだけど、眺めているだけでいいって本気で思ってるし、そもそも私みたいな地味な女の子と付き合う質じゃないだろうし。それでも友達付き合いの手前、彼にチョコを渡さないと。
談話室のお気に入りのソファの近くで、私たちは和気あいあいと話していた。朝食から帰ってきて、授業までの少しの休憩時間。私は何となく話す気分になれなくて、三人の近くでただ茫然としているだけ。何だか、バレンタインの雰囲気って苦手。
__
バレンタインだからといって、そこまで大きなことが起きるわけではない。いつも通り、真面目に授業を聞いてノートを取って、友達と話して気付けば夜になっていた。
「キャッ、ねぇ、ジョージくん今こっち見なかった?!」
「絶対見た! 見たよね! アンシーの方見てたんじゃない? チョコ渡したから意識してるとか……」
アンシー。それは、私たち四人グループの中で最もオシャレで可愛い子。「すごいね」と私は曖昧に祝福した。アンシーの照れた笑みも可愛い。
「ねぇ、Aは誰に渡したの?」
「わ、私? 私、誰にも──」
えーっ、という衝撃が広がる。私はやっぱり、彼に話しかけるなんて無理だ。取り繕うために無理やり口角を吊り上げて笑う。ふと、談話室の向こう側のジョージくんと目が合った。慌てて逸らす。数秒後、談話室は煙幕に包まれていた。何が起きたかわからなくて、私は辺りを見回す。人々の叫び声。
「いたっ、」
何かに引っ張られ、引きずられるように私は談話室を出ていた。目を開けるのも怖い。恐る恐る目を開けると、そこにはジョージくんがいた。照れたようにはにかんでいて、私の喉からは震える声しか出なかった。
「ごめん、朝話してるの聞いちゃったんだ。君から貰えるかもって期待してたんだけどあれって嘘──」
「嘘じゃない、です!」声が裏返る。少し顔が赤くなる。「作りはしたんですけど、ジョージくんのことが好きすぎて見てるだけでいいって言うか……わか、分かんなくなっちゃって、それで……」
ポケットの中から、正方形の箱を取り出す。慎ましやかなチョコ。ラッピングも地味だし、チョコ自体も取り柄がない。
「ありがと、その……お互いひとりの時、また」
I'll be with you forever . / Ginny→←I'm addicted to you ! / Fred
38人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
狸ノ木(プロフ) - そると。さん» コメントありがとうございます! 私も結構気に入っている話なのでそう言っていただきとっても嬉しいです……! たぶんころっと落ちちゃいますね☺️(そんな機会があればですが!) (2022年4月5日 17時) (レス) @page37 id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
そると。(プロフ) - 最後のジニーのお話...めっちゃ好きです...あんな言われたら落ちるしかなくない...??? (2022年4月5日 1時) (レス) @page36 id: 49e4342c2d (このIDを非表示/違反報告)
狸ノ木(プロフ) - 弁当にトマト入れないでさん» コメントありがとうございます〜!!こんなに素敵な言葉を頂いてもいいんでしょうか……すごく励みになります😭してみたされてみた、また書きたいので出すと思います! 楽しみにしてて下さい💞 (2022年2月15日 7時) (レス) id: 7569f5552e (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマト入れないで - してみたされてみたまた出して欲しいです!無理だったらすいません!!お話作るの天才すぎ!!めっちゃいいお話だらけ! (2022年2月14日 22時) (レス) id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
弁当にトマトを入れないで - 私もパーシーと、オリバー大好きだから主さんのお話大好きです! (2022年2月14日 22時) (レス) @page16 id: 2bfe3fce26 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ