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鳴り響くサイレン、次々に止まる黒塗りの車。そして中から出てきたのは、白い服に身を包んだ男たち。







「確保!午後3時20分、公務執行妨害で逮捕」







そんな光景を土方が目に入れているうちに、銀時とAはその手首に手錠をかけられていた。







「なっ、お前らは…」


「余計な助太刀でしたでしょうか?申し訳ありません、真選組の縄張りを荒らすつもりはなかったのですが、あなた方に仇なす族を黙って見過ごせなかったまで。

私…真選組のファンですから」


「その制服、まさかお前ら…」







うっすらとした意識の中で、Aが少しだけ目線を上にあげると困惑した表情の土方が映る。


真っ白な服に対比した、真選組の真っ黒な制服。







「鬼の副長殿に存じていただけているとは、同じく江戸を守るものとして光栄であります。

見廻組局長・佐々木異三郎と申します」


「見廻組…」


「この制服も、あなた方の制服をモデルに作らせたのですよ。私がいかに真選組のファンかご理解いただけたでしょうか…アドレス、サブちゃんで登録しておきましたから。メールしてくださいね」







土方は懐に手を伸ばし…そこに携帯はなかった。







「こっちはトシちゃんって登録しておくんで」







それはいつの間にか異三郎の手に渡っている。







「て、てめえ…」


「おっと申し訳ありません、友達が少ないものでついがっついてしまって…誤解しないでください、何度も言うように私真選組のファンですから」







土方の手に戻された彼の携帯には、“サブちゃん“と登録された新しい連絡先が。







「あなた方はまさに奇跡のような存在。生まれも育ちも貧しい、何の才能も持たない者たちが、皆で力を合わせ今まで江戸を守ってきたなんて素晴らしい美談じゃありませんか」


『…』


「貴方たちのもとなら、佐々木家の落ちこぼれにも何らかの使い道があるやと思ったのですが…どうやらこの様子では愚弟の居場所はなかったようですね」







そう言った途端、土方はあのラップの男の方を振り返る。


愚弟…あの白い男の弟がラップの男なのか。









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作者名:なんなん | 作成日時:2021年6月26日 23時

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