小さな世界の女王様 【碧棺左馬刻】

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｢A、泣いたのか？｣







Aは左馬刻を見送ってから休憩室に向かおうとしていると蒼と鉢合わせた









｢目、赤い？｣






｢少しな、左馬刻になんかされたのか？｣






｢何もされてないよ｣






｢ならなんで泣いたんだよ｣








そう聞かれたAは少し黙り込むと震える声で言った








｢わからない…わからないよ｣








ぽたぽたとまた流れ出した涙を拭うA








｢ちょ、ここで泣くな。｣









蒼はAの手を握り歩き始める








｢休憩室行くぞ｣







｢ごめん…｣








蒼は謝るAの手を引いていった









｢あれ？｣









そんな2人をを見ていた小柄な女がいた


.☆.｡.:.+*:ﾟ+｡ .ﾟ･*..☆.｡.:*

〜愛音side〜






左馬刻さん、なんで今日はAさんだけ指名だったの？








私は内心イライラしながらも他の客の対応に当っていた








そんなにAさんがいいの？大人っぽくてクールなとこ？それとも体型？顔？プライベートを見せないミステリアスなとこ？






私は明るくて愛想がある、体は小さくて胸もある、顔も可愛い、それにアフターだって同伴だってする







Aさんと比べてみても絶対私の方が勝ってるのにどうして勝てないの








でもAさんは噂に聞いてた通りだったってわけじゃない







もっと冷めてるのかと思ってたけど意外と顔に出るタイプ


特に左馬刻さんと話してる時のAさんは少し表情豊かになってた気がする








好きなのかな、左馬刻さんのこと


いや、蒼さんと幼馴染みらしいし付き合ってるかもって言われてるし








やっぱりただの男好きなのかもね







でも左馬刻さんは絶対Aさんに惚れてる


私と話してても視線はAさんの方だったし







なんであの人がこの世界の女王なの？





退いてよ、私の方がその場所に相応しいから


私は客の対応を終えると休憩室へ向かった







｢あれ？｣







Aさんに惚れている左馬刻さんを堕とせば私の勝ち？






そんなことを思ってしまった





すると蒼さんとAさんが手を繋いで男性用の休憩室に入っていくのが見えた






そして休憩室を除くと蒼がAを抱きしめていた









｢…｣








私は自然と何度か携帯のシャッターを切っていた

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