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第捌話 ページ9

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「Aさんは飴村乱数さんをご存知でしょうか?」



「飴村乱数!!!あ、いや取り乱してすみません。
存知上げております。彼のデザインした服が
大好きでして…」



飴村乱数。
カラフルでポップで可愛い服を沢山世に出して来た
ファッションデザイナー。
アメリカにいたのでよくはわからないが日本では
ラッパーとしても有名と聞いたことがある。


パッとしない私は似合わないと決まりつけ
飴村乱数デザインの服を買っても着ないことが
多かった。それでも私のお気に入りのデザイナーの
一人であることに変わりはない。



「それは良かったです!
実は来月の末に発売されるファッション誌に
飴村乱数さんの特別特集を組む予定なんです。
来週の初め頃にお約束をしているので
お手数ですが代わりにインタビューに行って
頂きたいんです。質問内容などはこちらで
ある程度まとめますので…」


「是非是非!やらせてください!」




当初望んでいなかった小説に飛ばされてしまい
少し残念なところではあったが、
夢野先生はお優しい方だし、
憧れのあの乱数さんとお会いできるなんて…



「本当のありがとうございます!
先方にはこちらから連絡を入れておきます。
こちらが、乱数さんの事務所の場所になります。
詳しい日時は追ってご連絡いたしますので
当日はどうぞよろしくお願いいたします!」




それからと言うものその日はテンションが
上がりっぱなし。
来週だと言うのに渡された資料を暗記できるのでは
ないかと言うほど読み込む。

来週だと言うのに自分でも質問を何十個も
考える。そのくらいには楽しみだ。




「あ、もうこんな時間だ。」



時計は17:30を指し、私は慌てて部長に
一言声をかけ、出社した。


スクランブル交差点の前のカフェで
美味しそうなケーキをいくつか買い、
人に押しつぶされないように気をつけながら
横断歩道を渡って行った。


駅に着いたのは50分頃。丁度いい時間であろう。
辺りを見回すと、見覚えのある着物姿。
本を読みながら、そこに立っていた。



「夢野先生、お待たせいたしました。」


「いえ、待っていませんよ。それに
待ち合わせ10分前にいらっしゃるなんて
やはり真面目な方ですね。」


「それが嘘というやつですか?」


「神崎さんから聞いたんですね。
本心ですよ、嘘ではありません」



夢野先生はクスッと笑うと
それでは行きましょうか、と
私の一歩斜め前を歩き出した。




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名前などない - 名前などないは、頑張ったそして神作を見つけた。作者様も見つけた (2018年10月7日 16時) (レス) id: 7d4ac3f345 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬りつ(プロフ) - 全力で応援してます。頑張って下さい! (2018年9月24日 0時) (レス) id: 2be3616bf8 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - トールさん» コメントありがとうございます!萌えていただけて大変嬉しいです!◎ 更新頑張りますのでこれからも読んでいただけたら嬉しいです…! (2018年9月9日 21時) (レス) id: ea06f86932 (このIDを非表示/違反報告)
トール(プロフ) - いつも楽しみにしてます!幻太郎推しの私にとっては素晴らしく萌える小説です…!更新楽しみにしてます!(*^^*) (2018年9月9日 19時) (レス) id: 18d4aaf4a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲いずも | 作成日時:2018年8月26日 0時

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