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第拾玖話 ページ21

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幻太郎さん、か。

夢野先生のご命令(?)でそう呼ぶように強制された。
確かに真似事とはいえ、先生という呼び方は
あまりにも恋人にしては他人行儀過ぎるか。


そんな時、ピンポーンと玄関の方から
呼び出し音が流れた。



「あらま、少し出て来ますね。」



夢野先生、じゃなくて幻太郎さんは立ち上がり
玄関まで行き、ドアスコープを覗くと
またですか、と声が聞こえた。



「帝統、今日は打ち合わせだから来るなと
言ったはずですが?」


「昨日の夜から賭場でやってんたんだけど
最後の最後で大負けしました!
これから雨なんで、雨宿りさせてください!」


「嫌です。お帰りください。」




帝統さんか、
会話の内容を聞くにまたギャンブルで大負けしたの
だろうか。

知っている相手だから問題ないかと玄関まで
顔を出しに行くことにした。



「あ、Aと打ち合わせだったんだな!
幻太郎がダメならお前だ!
今日の夜って雨だろ?雨宿りさせてください!」


「別にいいですけど引越しの準備で本当に
何も無いですけどそれでもいいなら…」


「屋根があれば大丈夫!」


「聞き捨てなりませんねぇ。
帝統、上がりなさい。
彼女の家には行かないでくださいね。」


「やっぱり持つべきものは友だな!
ありがとうな!」




20代の男女が一つ屋根の下、は流石に
問題があったか。

幻太郎さんの聞き捨てならないという言葉に
はっと気付かされた。




「A、引っ越すの?
随分早いんじゃねえか。」


「小生のこの部屋の隣に引っ越します。
だからと言って、小生に宿泊拒否されても
彼女の方には行かないように。」


「そうなんだな!
えーいいじゃねえか。乱数は忙しくて
あんまり泊めてくれねえし〜。」


「彼女の方に泊まりに行くもんだったら
小生が帝統の腹をかっ開いて臓器を
売り飛ばしますけどいいんですか?」


「臓器だけは勘弁!わかったわかった。」




二人の仲良しさに驚いていたが、
話の内容的に乱数さんは二人の共通の
知り合いなんだろうか。

どうも共通点が見つからない。



「そういえば、帝統。
明日暇なのであれば彼女の引越しを手伝って
いただけますか。小生だけでも十分だとは
思っていたのですが、あいにく麻呂は
力持ちじゃ無いので〜。」



夢野先生は途中で声を女性風に変えて
そう述べた。

確かに月曜日は荷解きできないし、
手伝ってくれるのであれば大変助かる。



「ああ、いいぜ!俺に任せろ!」




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名前などない - 名前などないは、頑張ったそして神作を見つけた。作者様も見つけた (2018年10月7日 16時) (レス) id: 7d4ac3f345 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬りつ(プロフ) - 全力で応援してます。頑張って下さい! (2018年9月24日 0時) (レス) id: 2be3616bf8 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - トールさん» コメントありがとうございます!萌えていただけて大変嬉しいです!◎ 更新頑張りますのでこれからも読んでいただけたら嬉しいです…! (2018年9月9日 21時) (レス) id: ea06f86932 (このIDを非表示/違反報告)
トール(プロフ) - いつも楽しみにしてます!幻太郎推しの私にとっては素晴らしく萌える小説です…!更新楽しみにしてます!(*^^*) (2018年9月9日 19時) (レス) id: 18d4aaf4a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲いずも | 作成日時:2018年8月26日 0時

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