検索窓
今日:2 hit、昨日:15 hit、合計:65,826 hit

第拾話 ページ11

.





「ふふ、面白い反応をなさいますね。」



顔を真っ赤にさせた彼女は目が合うと
慌てて目を逸らし、隠れているつもりなのか
わからないが小生に背中を向けると
一つ深呼吸をついたのか肩が少し上がった。



「う、嘘ですよね!?
あはは、びっくりしましたよ〜。」



「案外嘘じゃありませんよ。
担当編集とは作家にとってはパートナーですから。
近くに居ていただいた方が助かるのは
真実でありますからねえ。」




少し意地悪をした。
昨日帝統が自分より早く会っていたいたことに
嫉妬でもしたのか、自分は。


神崎さんから聞いた彼女の話はとても興味深く
その彼女が担当になると聞いた時は
神崎さんから聞いたような心が躍るようなことが
起きるのではないかと思った。

自分でも少し可笑しいような気がした。
それだけでこんな意地悪をするなんて
大人気ないな。




「確かにそうですね!でも、私も一応
シブヤ住みなので夜中であろうとご連絡頂ければ
いつでも駆けつけられますので!」



「ん、あははっ。笑うなんて失礼ですね。
失敬失敬。ここの12階です。」




俺はこんな彼女に先に出会って楽しげに
喋ることができる帝統に少しだけほんの少しだけ
嫉妬をしていたのだ、自分は。


俺は帝統が彼女に会うより前に神崎さんから
彼女のことを聞いていて、ずっと面白い方だな
と思っていたのだ。

いつかお会いできたらと思っていたのに
そんな気持ちを知らない帝統に先を越されたのが
少しだけ悔しかったのだ。


その時はまだ帝統と俺はまだ会っていない。
無意味な嫉妬心を彼に向けてる感じがして
少し申し訳ないなと思った。





「このマンション、15階建ですよね?
随分高いところにお住みですね…」


「小生、高所恐怖症なので毎日
目眩に吐き気に、苦労しておりますよ。」


「え、それは直ぐにでも少しでも
低いところに引っ越した方が良いのでは!?」


「嘘ですよ。高所恐怖症ではありません。」


「十分に警戒していたのに騙されました…」




この感情は一旦忘れよう。
今は彼女を自宅へ案内し、次の作品の打ち合わせを
することが最優先事項である。


この感情が暴走して、知らぬまに彼女に
迷惑をかけることがあってはならない。




「1208号室です。一番奥と覚えて頂けると
いいと思います。」



彼女はお邪魔しますと一言言って、
靴を脱いで小生の部屋に上がった。




.

第拾壱話→←第玖話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
292人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

名前などない - 名前などないは、頑張ったそして神作を見つけた。作者様も見つけた (2018年10月7日 16時) (レス) id: 7d4ac3f345 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬りつ(プロフ) - 全力で応援してます。頑張って下さい! (2018年9月24日 0時) (レス) id: 2be3616bf8 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - トールさん» コメントありがとうございます!萌えていただけて大変嬉しいです!◎ 更新頑張りますのでこれからも読んでいただけたら嬉しいです…! (2018年9月9日 21時) (レス) id: ea06f86932 (このIDを非表示/違反報告)
トール(プロフ) - いつも楽しみにしてます!幻太郎推しの私にとっては素晴らしく萌える小説です…!更新楽しみにしてます!(*^^*) (2018年9月9日 19時) (レス) id: 18d4aaf4a9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:東雲いずも | 作成日時:2018年8月26日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。