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とりあえず適当なパーカーをAの肩にかける。



「あーありがとう。」



『風邪引かれたら困るからね。この前体調崩したばっかだし。』



「あ〜…ね。」



『気をつけようねってこと。それに…さ、透けてる。』



「ほんとだ。でもいつものことじゃん。」



『毎回毎回目のやり場に困ってるの。』



「いやん、龍斗くんへんたーい。」



手をクロスにして肩に添えてみせるけど、

あえて言わせてもらうならそれはAの方だ。


でもそんな意地悪は言わないでおくから。



『へえ彼氏にそんなこと言うんだ、傷つくなあ。

次やったら肩にも太ももにも噛み付くから。

ノースリーブも短パンも着れないように。』



「いや、それは、ダメです。」



少し顔を赤らめて俯く様子は可愛くて。



『じゃあそんな格好でウチくるのはナシね。』



「…分かりました。」



『で、なんだっけ?』



「覚えてるくせに。龍斗意地悪言うんだ。」



『柄違いのシャツね、厳密に言うとあれ柄の種類が

違うんじゃなくて、おんなじストライプだけど

色と幅が違うんだけどね。あれがどうかした?』



「んーめんどくさいなあ。

どうでもいいんだけど、貸してほしいの。

今日着て行きたいなって。ジーンズのミニスカートと

ベルト合わせたら可愛いじゃん!」



『ん、いいよ。でもAには大きすぎるかもね。』



「龍斗知らぬ間に伸びちゃったからなあ。」



『俺下行ってるから、その間に着替えてね。着替えてから帰ってよ。』



「あーい。」



俺の服を着る可愛いAとデートって…やばい、

Aは何も考えてないだろうけど。

何で俺のシャツ着ようと思ったんだろう。

それも考えてないかな。



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作者名:しんくれろ | 作成日時:2019年12月5日 22時

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