テスト後の君 ページ3
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『点数どうだった?』
テスト返却の後、斜め前に座るAに声をかけた。
自分から報告してこないあたり、もしかしたら、と
気付いているけど、気になって仕方ないから聞いてみた。
「あのね、」
神妙な面持ちだからあぁ多分そうなんだろう。
残念ながら、当分は一緒に帰るのはおあず…
「ギリギリセーーーフ!龍斗、すごいでしょ〜」
『あ、良かったね。落ちたのかと思った。』
「ひどーい、私だってやればできるの。」
『知ってるよ。A本当に頑張ったからだ。』
「龍斗が教えてくれたからだよ。龍斗は私専属の家庭教師だもんね。」
『報酬なしのね。』
「えーそこは幼馴染兼彼女特典ってことでお願いしますよ。」
『できれば彼女を先に持ってきてほしいところだけど。まあ買い物付き合ってもらってるから良しとしよう。』
「龍斗ひとりで買い物行けないもんね。」
『行けないわけじゃないけどさ。』
「はいはい。」
『あー絶対信じてないじゃん。』
「そんなことないよ。
龍斗ありがとう。」
『はーい。』
急に真面目な顔をされると調子が狂う。
でもその数秒後にはいつものAに戻ったんだ。
「よーし、今日は赤点回避のお祝いにクレープ食べに行こ!」
『なにかにかこつけて毎月付き合わされてるよね。俺も好きだから良いんだけどさ。』
「まあまあ、そう細かいことは言わないで。」
『いいよ、今日はどこ行くの?』
「やったー!どこのクレープにしようかなあ。悩むな〜」
ニコニコ笑顔でスマホとにらめっこして。
ブリュレのクレープ美味しそう、
でも王道のイチゴも捨てがたい、なんて悩んでいたっけ。
スイーツ本当に好きだったな。
俺も甘いものは大好物だけど、君と食べられることが
なによりも美味しく感じたんだ。
また一緒に食べたいな…なんてね。
【あの幸せそうな笑顔を浮かべた君】は、
とても綺麗だった。
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お読みいただいております皆様、
誠にありがとうございます。
表現や展開の上で不快に思われた方は、
ブラウザバックをお願い致します。
この先、少し暗い内容もございます。
ご注意くださいませ。
しんくれろ
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作者名:しんくれろ | 作成日時:2019年12月5日 22時