ぎゅってして、好きって言って【狗巻棘】

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棘side




真「予定より早く帰ってこれたな…って棘？
どうした、ぼーっと突っ立って」


棘「……」


パンダ「1年はまだ授業中か、Aもいるぞ」


真「ははーん、なるほどな」









予定より2時間ほど早く学校へ戻ると、
グラウンドで1年が実技の授業を行っていた。
そこには、Aの姿も。







伏黒の式神を嬉しそうに撫でているA。
そんなAを後ろから呆れながら…だけど満更でもない様子で見ている伏黒。







胸の辺りがなぜかチクチクとした。
何これ？







最近の自分は少しおかしい、気がする。








昨日、廊下で五条先生とAが一緒にいるところをたまたま見た。







五条先生の手にはおにぎりが握られていて…
Aがあげたのかな？







たったそんなことだけで、なぜかイラッとしてしまう。





理由は分からないのだ。






そしてそのタイミングで先生に居ることがバレ、
仕方なくその場へ行くと、
俺を見るなりなぜか酷く驚くA。







俺がツナマヨと言うと、おにぎりのことを言っていると勘違いしたのか先生の手からそれを奪うと、
俺に一緒に食べたい、と言ってくる。







そんな、先生にあげる予定だったものを仕方なく貰っても何だか嬉しくない。







それに、先生と距離近すぎじゃない？
そう思ってAをこっちへ引き寄せる。








ってほんと何やってるんだろう俺は。








はい！とおにぎりを渡され、
少し考えて、受け取った。









だってとっても嬉しそうに渡してくるんだもん。
だったら次は、俺のために買ってきてよ。









なんて…やっぱり俺は変だ。

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