18 ページ19
18
いつ切り出そうか。
隣に座って出したお茶を飲んでいる棘くんを横目でちらちら見ながら必死に思考をフル回転させる。
いきなり言ったとして棘くん本人に避けていたという意識がなければ失礼なことを聞いてしまったと後悔することになりかねない。
それに今の棘くんは普段とあまり変わらない気がする。
じゃぁなんで避けていたんだろう。
本当に私の勘違いだったりして…
……頑張って着てみた部屋着に対する反応もゼロ。
やっぱり野薔薇ちゃんや美渚先輩が言っていたことの意味が未だに理解出来なかった。
棘「すじこ?」
「わ!…ごほっごほ。
ごめんね、ちょっと考え事しちゃってた!」
棘くんの顔が近くて、食べていたお菓子が喉に詰まりそうになって少しの苦しさに涙目になる。
咳き込む私に大丈夫?というように更に顔を覗いてくるもんだから、あなたが原因なの!なんて言えるはずもないから心の中だけでそっと呟く。
…不意に棘くんの手が私の頬を撫でる。
顔をあげれば、その視線と重なる。
「え、っと…」
口を開く気配のない棘くんに、どうにか沈黙は避けようと必死に言葉を繋げようとするけどこういう時に限って話題が思いつかない。
あわあわとしている私の様子に気づいたのか、ふっと優しい表情で微笑む棘くんはそのまま顔を近づけてきて…
「んっ……ぇ、」
棘「……」
この時初めて、キスをされた。

3220人がお気に入り

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凪々瀬(プロフ) - ひなさん» 私なんてそんじょそこらのほんとに趣味で書いてるだけなので…すごく尊敬してます!お互い頑張りましょう! (2月14日 14時) (レス) id: a9a880df8f (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 凪々瀬さん» コメントありがとうございます!呪術廻戦の作者様にコメントいただけて光栄です(><)更新全力で頑張りますっ!更新頑張ってください!!(え (2月14日 10時) (レス) id: 88c1187db4 (このIDを非表示/違反報告)
凪々瀬(プロフ) - 更新頑張ってください!楽しみにしてます…!怒りに燃える棘くんカッコいい…(( (2月13日 21時) (レス) id: a9a880df8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひな | 作成日時:2021年2月7日 12時