待って、なんて煽んないで【狗巻棘】

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おかしい。









「棘くん！今日は任務終わった後会える？」


棘「お、おかか…」


「……そっか！疲れてるし仕方ないよね！
じゃぁまた今度！」


棘「……」









違和感。









「棘くん！！今日はこのあと予定あ……」


棘「つ、ツナマヨ！」


「……」









私の言葉を聞き終わる前に教室を後にする棘くん。
どたどたと猛スピードで廊下を走る音が聞こえる。




やっぱりおかしい。




少し前から思ってたんだけど…









真「A、棘に避けられてないか？」


「は！！やっぱりそうなのかなぁ！？」


真「いや分からんが」









一部始終を見ていた真希ちゃんに指摘されて、
私の予想はほぼ確実となった。




私だけが思っているのならまだ勘違いなのかもと思えたけど、
真希ちゃんまでそう見えているのなら…




ここ1週間、明らかに棘くんに避けられている。




理由は分からない。




教室にいる時や訓練をしてる時は普段と変わらないのだけど、



2人きりの時間を作ろうとすると…
こうやって逃げられてしまうのだ。









「完全に嫌われてるじゃん私…」


真「棘がAを嫌いに？それはない。100言える」


「分かんないじゃん！現に避けられてるし！」


真「悟までとは言えどAにデレデレな棘がなぁ」


「はぁぁぁ…」









もうやだ泣きたい。
目の下がじーんと熱くなる。





手を繋ぐ以上のことをしたい。
そう思ってるのは私だけ、なのかな。

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