レンタル彼氏の、悟さん【五条悟】

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悟side




「いきなり誘ってきて何するかと思えばこれまたいきなりホテルねぇ…お盛んなことで」



『そんなこと言いつつ私の身体で満足してる貴方も人のこと言えないと思うけれど？』






いやらしく腕を絡めてきて密着してくる女の香水の匂いがキツくて鼻を塞ぎたくなる。
それにわざと胸くっつけてんのバレバレだっつの。




あー早く終わんねーかな。








『あっ…悟、さと、る……好きっ』







俺の下で高い声を上げて鳴く女。そーいえばこいつの名前何だったっけな、覚えてないや。






少し前までの俺はなんでこんなやつに依存していたのだろうと腰を振りながら考える。
いやこいつだけじゃなく…身体の関係を持つ女達。






この仕事を始めたきっかけも誰かの温もりが欲しかったから。






誰かに求めてもらえる、誰かが俺を必要としてくれる。
それがなんだか心地よくて、俺はそれに縋っていた。






まぁレンタル彼氏を契約するやつなんて大概身体目的だし、
実際俺をおもちゃとしか思っちゃいない。






そんなことは分かっているが、快楽や満足感を得られるならそれ以外はどうでもよかった。





どうでもよかった、はずなのに。







あの子は…Aちゃんはどこか他の人とは違っていた。







俺の言葉一つ一つに照れて顔を赤くするとこや、俺の作ったご飯を美味しいと大袈裟なくらいに喜んで食べてくれるところ。



契約時間中でも俺を気にかけて帰らせようとするところ。



手を繋ぐだけで幸せそうに微笑むところ。







正直扱いづらいと思っていた。
どうせならはっきりと身体目的と示してくれた方がこっちとしてもやりやすいし、







中途半端に優しくされたり照れられると、
こっちも調子が狂ってしまう。







Aちゃんの帰りが遅かった日。
他の人と歩いているところを見て…腹が立った。
自分でもうざいくらいに、嫉妬してた自分がいた。






レンタル彼氏と客は恋愛禁止。








Aちゃんにこれ以上こっちの世界に踏み入れないよう、純粋な心を黒く染めないためにも…
もう終わりにした方がいいのかもしれない。

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