レンタル彼氏の、悟さん【五条悟】

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＊


悟side




『悟、最近上機嫌だよね』



「え？そう？」



『たまに携帯見ながらニヤついてたり』



「…まじか」





同じレンタル彼氏として働く同期にそう言われ、
自分自身じゃ全くもって気づかなかった。
そんな俺を見ながらニヤつくのがなんかうざい。





『いい感じの子でも出来ちゃった？』



「んな訳ねーだろ。ここ恋愛禁止だし」



『ま、悟だからありえねーか。
お前の客1人くらい俺にくれよ〜』



「やんねーよ。ったく契約解除されるの大体自分のせいだろうが」





てへへ、と笑う。何がてへへだよ気持ち悪い。




こいつはまぁなんと言うかイケメンではあるが、髪色は金髪だしピアスは開けまくりだしタバコは吸うし口悪いしと少し残念なところがある。




せめて身なりだけでも変えれば少しは変わると思うんだが。いやまぁ身なりに関しては俺も言えた口じゃないけど。




ついこの間お気に召していたらしい子に解約されたらしく、理由はだめだと言われていたのにこっそり家の中でたばこを吸ったんだと。あほらしい。




そんなんだからいつまで経ってもNo.3の座にも入れないんだよ。






と、携帯の着信が鳴っておもむろに慌てる俺に彼は″おーおーお気に入りの子か？″なんて茶化してくる。





Aちゃんから電話なんて珍しいな。
と思いつつ内心喜んでいる自分がいた。





だけど





開いた携帯の画面に映る名前は…
いつの日か連絡が途絶えていた女だった。






「珍しいじゃん、何か用？」



『相変わらず冷たいわね。今日時間あるかしら？』



「あー、まぁ。何時から何時まで」



『とりあえず今出れるなら来てちょうだい。
話はまたそれからで』



「…了解」







稼げるならまぁいいやと思っていたこの仕事に対して
いつの日か行きたくないと思うようになったのは俺の中での大きな変化だった。





まぁ何でそうなったかは大体予想がつくけど。

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