日向と木陰 3

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最終日の朝。
さすがに全員疲れた顔をしながら朝食を食べて、宿を出る準備をした。
これからバスでもう一ヶ所見学する所を回って昼食を食べて、お土産を見てから新幹線で帰る事になっている。

遺跡を見るという最後まで渋いスケジュールで見学が終わり、昼ごはんを食べて慧と一緒にお土産を見ていた。
家族の分と、何か自分の分をと探していると、
「ゆーと、見て！今時こんなのある！」
慧が笑いながらくるくる回るスタンドみたいなのに、名前が書いてあるハートマークのキーホルダーがたくさんつられているのを指さす。
「おぉ……これは！」
最早伝説に近いんじゃないかって位に懐かしい代物だな。
「俺の名前あるかなー、あるかなー？」
なぜかノリノリで自分の名前を探す慧。
「……あった！やったー！」
………なんかちょっと羨ましくなる。
慌てて、
「俺は、と………………あったー！」
決して欲しくはないのに一応名前があったのでテンションが上がる。
2人で盛り上がって、どっちも平凡な名前で良かったと分かち合う。
慧が、
「これは要らないけど、なんか2人で思い出になるもの買おうよ。」
はしゃいでそう言うから、
「いいね、お揃いの何か買おう。」
「じゃ、お互い探そ？」
「オッケー。」
と言って、それぞれ店内を探す。

湯呑みはなんかおじいちゃんぽいし、置物もなぁ………。
いいのないかなと思っていると、ある物が目についた。
………これは、喜ばれるかどうかかなり賭けになるけど。
どきどきしながら２つ選んでレジに向かった。

慧がなかなか決まらないと困った様にしているのを見つけて、俺が決まったからもういいよと強引に店を出る。
ダメだ、渡す前から不安でどきどきして仕方ない。

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