文スト劇場 【パート1】

【準決勝第二．ルーシー・モード・モンゴメリvs泉鏡花】

大変長らくお待たせしましたわ。因縁の対決と名付けたいですわ。
え、何のかって？それは内緒ですわ。察して下さるとありがたいですの。


「あたし、部外者なんだけど」

「絶対勝つ」


打ち始めはモンゴメリさんからですわ。

それでは、用意……スタートッですわ。


「一寸待って。……皆様、大きく一歩を出して下さる？」

「――……おや、此処は何処だい？」

「僕達は見覚えがあるンだけど」

「アンの部屋へようこそ」


モンゴメリさんの異能力ですわッ。太宰さんの姿が無いのは、その所為ですのよね。
……異能力、羨ましいですわ。


「アン、宜しくね」

「それなら、私も」


鏡花ちゃんも『夜叉白雪』を発動ですわ。予測はついて居ましたわ。
それでは改めて。スタートッですわ。


「飛ばしてッ」

「……返せるッ」


は、速いですわ。夜叉が刀の棟部分で打ち返してますの。凄いですわ。
それ以上に凄いのは、お互い異能力の勝負ですわ。


「国木田さん。‘棟’って何ですか？」

「物打の反対だ」

「……切れる方の逆の事なンだよ、敦君」


又も決着がつきそうに無いですわ。準決勝はどちらも白熱しておりますの。
仕方がありません。あのルールを使用しな。


「その必要は無いよ。鏡花ちゃんは、元々負けてるからね」

「ああッ、乱歩さん、それは……」

「「え？」」


……如何やら、本当の事の様ですわ。と云う事で、モンゴメリさんの勝ちですわ。
決勝戦も宜しくお願い致しますわ。


「だから私、部外者だって」

「嘘……そんな」


兄様には、後でお仕置きが待っておりますわ。
嘘をついて、鏡花ちゃんを悲しませた罰ですの。


「もっとやりたかった」
「――……また今度、機会が有ったらやってあげても良いわ」
「……貴方とじゃ無くて良い」
「なッ。人が奥手に出てあげたってのに」

「でも、愉しかった。ありがとう」
「こ、こっちこそ、貴方と出来て良かったわ」


知らない間に、友情が芽生えておりますの。青春ですわ。これぞ醍醐味ですわ。
決勝戦は、国木田さん対モンゴメリさんですわ。
それでは皆様、ご機嫌よう。