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「さっきはありがとう」
「ううん。もっと早く気付いてあげられなくてごめん」
結構声が震えていたから、俺が気付くよりも前から絡まれてたんじゃないかな。
絡まれてるAちゃんを見た時、ぐわって何か俺の知らない感情が沸き起こる感じがして、気づけばああやって動いてた。
でも迷惑になってるんじゃないかって不安にもなって、ずっと浮かない顔をしているAちゃんの腕を掴んで動きを止める。
「ちょっとだけ話さない？」
「うん、」
少し歩いたところにある公園に向かって、空いてるベンチに腰掛ける。
「ちょっと待ってて」とAちゃんに待っててもらって公園を出たところにある自販機で飲み物を買った。
「どっちがいーい？」
買ってきたジュースとコーヒーを顔の前に突き出して選んでもらう。
めめがね、相手の好みがわかないと時は違うタイプのものを二つ買って先に選んでもらえばいいって言ってたからその通りにすると、Aちゃんは「じゃあこっちで」とジュースを指さしたから「ん」と渡す。
「ありがとう。今日は色々とほんとに」
「いいよ。あれって助けて良かったんだよね？」
「なんで？」
オレンジ色に染まり始めた空を見上げる。
「うーん、よく分かんないけど。なんとなく元気ないし」
俺が知ってるAちゃんは常に明るくて元気で、俺から見れば太陽みたいな女の子だなって。
それなのに今日初めて見た辛そうに顔を歪ませてるの。
ずっとムズムズしてるんだ、なんでかな？って。
俺がなんかやらかしてなきゃいいけどって。
「……怖いんだ」
口を開いてゆっくりと言葉を選んでるようだった。
俺は顔を見ないで、ずっと空をただ見つめてた。
「大学入って直ぐに好きな先輩に告白されて付き合ったんだ。高校の時からの先輩で、ずっと憧れの人だった」
過去形なんだ。
「すごく嬉しくて幸せで。感情を上手く出せなかった私が、先輩のおかげで毎日楽しく過ごせるようになった。なのに聞いちゃったんだよね、サークルの飲み会で明日告白して直ぐに付き合えたら勝ちって」
「………は？」
その先輩は、Aちゃんが入学する前の飲み会で友達同士で盛り上がって、ゲーム感覚で告白してきたってことだった。
それを知ったAちゃんはきっと相当落ち込んだんだろなって。
こういう時はなんて声を掛けるのが正解？
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ゆきんこ(プロフ) - azuhibimamaさん» ありがとうございます！名前シリーズ番外編も合わせると結構長いのに嬉しいです😊キューピット深澤さんは私もお気に入りでした😌ありがとうございました!! (2022年2月4日 21時) (
レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
azuhibimama(プロフ) - 名前シリーズを昨日から一気読みしてしまいました！すごく面白い！深澤and佐久間のお話が特にお気に入りです！ (2022年2月4日 19時) (レス) id: a411539623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年6月25日 11時
