25 ページ26
青「望、言い過ぎやって」
肩におかれた流星の手を振り払って、神ちゃんの肩を掴む。
「ほんまは治療をしたいって思ってんねやろ!?やったら迷惑かけるとか、そんなん気にする必要ないやん!何?俺らそんなに頼りない?迷惑なんて、かけてなんぼやん。もっと俺らのこと頼ってや!」
ゆっくりと顔をあげた神ちゃんと目があって、我にかえる。
違う、ちゃうねん。
俺は、こんな顔させたかったわけじゃ···
「このまま治療せぇへんかったら、記憶··なくなってまうねんで?大切な思い出も、俺らとの思い出も···何もかも全部。俺は···そんなん、絶対にいややから」
神ちゃんの瞳から溢れそうになっとった涙は、ポロポロと溢れてだしていて。
見てられへんくなった俺は、流れてきた涙を拭いながら病室を飛び出した。
.
青side
「のぞむっ!!」
泣き出してしまった神ちゃんに、部屋を出てってしまった望。
···どうすればええねん。
「神ちゃん、落ち着こ?泣いたらしんどなるで?」
とりあえず声をかけながら、前より幾分も小さくなってしまった背中をさする。
「···望もさ、きつい言い方やったかもしらんけど、分かってやって?望が言ってなかったら、俺が言っとったかもしらんし笑」
小さく頷いてはいるものの、やっぱり体力は落ちとるみたいで。
泣いたせいからか、すでに意識が薄くなってきとる。
なんかちっちゃい子供みたいでかわええな。
こんなん本人に言うたら、絶対怒られるやろうけど笑
···そんな日が、戻って来ればええな。
緑「おれ···」
「おん、分かっとるよ。ゆっくりでええから、俺らの気持ちも分かってほしい。俺らずっと···待っとるから」
ふと、腕の重みが強くなって。
神ちゃんは、静かに眠っていた。
聞こえとったかな···俺の声。
ゆっくりと神ちゃんを寝かしてあげて、布団をかける。
眠っとる姿を見ると、よりいっそう守りたい気持ちが増えていく。
思わず、綺麗に染め上げられた髪を撫でた。
「また来るから」
帰るのは名残惜しいけど、俺がおったらゆっくり休めんやろうから。
そう思って、手を離して病室を出る。
かすかに微笑んでくれたのは、俺の気のせいやったかな。
422人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
澄子(仮名) - 何回見ても泣けます!コメントを書いているときも泣いています!感動系を初めて見させていただいたのがこの小説なんです。このまま頑張って書いてください。長々と失礼いたしました (2018年10月1日 17時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
♪♪♪ - 続き楽しみにしときます! (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
みーさん - 号泣しました 涙が止まりません! (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
プリッツ - とても面白いです! (2018年3月19日 1時) (レス) id: 95e9ce1329 (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - コメント失礼します!私、こういう作品待ってたんです!これから頑張って下さい! (2017年9月19日 23時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ