WASABI ３

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帰りにちょこっと会社に寄ったら、
私の仕事は、
新人の夢ちゃんが任されてるみたいで、
いきなり泣きつかれた。


引き継ぎもまともにしてないのに、
申し訳ない気持ちになる。


森下課長に、
新しい職場を紹介してもらう件、お願いして、
夢ちゃんに色々教えてたら、
まひろ先輩が出先から戻って来て。


「なんで辞めた人がいるの？」


離れた席からわざと聞こえるように言ってきたから。


「引き継ぎに来ただけです」


こっちもおっきな声で答えてやった。


もう辞めるんだから、
気を使う必要なんてないもんね。


事務所を出てすぐ、
その当人のまひろ先輩が追いかけて来た。

息切らしてまで、
話したい事って何？


「A、結婚、ダメになったってほんと？」


なんだ、そんなことか。


ざまあみろって思ってんだろうな。


「だったら何ですか。
まひろ先輩に関係ないじゃないですか」


それだけ言って、
やって来たエレベーター乗り込んで、

呆然としてるまひろ先輩の顔、尻目に、
思いっきり閉まるのボタン、押してやった。


はあ。

思わず漏れたでっかいため息。


結婚はダメになったけど、
今、私は自分史上一、幸せだ。


壊れてしまうのが、怖いぐらいに・・・







忠義は社内の飲み会だから、
味気なく一人でご飯。

一人分だと作る気にもならなくて、
コンビニのガパオライスで済ませた。


前は全然平気だったのに、
寂しく感じる。


忠義と暮らして、寂しがりになったみたいだ。



一人で退屈で、
自分の部屋に帰って、
郵便物のチェックして、
簡単に掃除して、
亮の荷物をまとめる。


亮のこと、気がかりだけど、
連絡するのはダメかな。


あんなに忠義がやきもち妬くなんて。


嬉しかったな・・・

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