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第41話.継子 ページ45

その日の夜。死柱は城川壁嬢の屋敷だと
いう所へやってきた。
彼女の表情が気がかりだったからだ。

子窓でもないかな、と屋敷の庭を歩いていると
少女の啜り泣く声が聞こえた。さっきの、
城川壁嬢の声だ。丁度、死柱の立っている
場所の上の窓だ。登れる高さなので、死柱は
よっこいせ、と城川壁嬢の前に現れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私が泣いているときだった。


?「こんにちは。城川壁嬢。」

がたっ、と窓の方から音が鳴って
不意にそちらを見ると昼間の女性がいた。

「…?先程の、女性…っ、ど、どうやって
入ったのですか?!この屋敷に…、
護衛もいたはずなのに」
A「私にかかれば、御茶の子さいさいだよ。」

窓の縁に座っていた女性はこちらに
ずんずん、と向かってきた。

A「私はここに来たばっかだから、アンタの
ことはよくわかんない。だから、
教えてくれないかな、」

にっこりと微笑む彼女に私は諦めて、
全て話そうと思った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あれは、そう……つい10日前の事だ。
父と母の死の知らせを聞いた。夜間、
隣町への会談へ向かった両親は何者かに
襲われたそうだ。遺体はまだ見つかっていない。

そして私は。この町の長として、城川壁家として
の名に恥じぬように生きなければならないと。

全てを彼女に話した。


A「何それ。つまんな。」
「……は、」

素っ気なくも呆気なくもそう言われてしまった。

A「だってそれってさぁ。結局はアンタが
やりたくてやってる訳じゃないじゃん。
家とか一族とか、そんなの無視してやれよ。」
「な、それが出来ないから、」

それは言い訳なのかもしれない。

A「言い訳だ、そんなの。本当はできる。
けど、選択を誤ったら戻らない。だから、
お前は、出来ないと言ってる。…自信持てよ」
「っ、」

その言葉はとても重く、同時に
私自身の心を軽くさせてくれた。

護衛「またお前か!!出て行け!」
A「見つかっちゃった。じゃ、城川壁嬢。
…まだ、私が気になったら。明日の深夜1時に
山のふもとの神社に来てくれ。こっそりね」

そう言って彼女は窓から飛び降りた。
ここは3階だ。落ちたら死ぬかもしれない。
そんなことを考えてしまい、私はすぐ窓へ
駆け寄り下を見た。けれど、あのAさんは
おろか、姿はなかった。

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舞中蠍/のあ(プロフ) - 眞尋さん» すみません!誤字です!ご指摘ありがとうございます! (2019年11月11日 16時) (レス) id: ff6619b807 (このIDを非表示/違反報告)
眞尋(プロフ) - すいません!悲鳴嶼さんは「南無南無南無南無」ではなく「南無阿弥陀仏」ですよ!いつも応援してます (2019年11月10日 22時) (レス) id: d2f316c579 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5472号(プロフ) - 派手に好き………派手に………………派手になァ!!!!!! (2019年10月21日 20時) (レス) id: 4ba81fc84d (このIDを非表示/違反報告)
舞中蠍/のあ(プロフ) - こばひなさん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年10月20日 22時) (レス) id: ff6619b807 (このIDを非表示/違反報告)
こばひな(プロフ) - こんばんわ!「もう一人の柱」とても面白いです(*≧∀≦*)更新頑張ってください!!! (2019年10月20日 21時) (レス) id: b2d753e73a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞中蠍 | 作成日時:2019年10月19日 15時

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