【鬼滅の刃】もう1人の柱【宇髄天元】

第9話.蟲柱 ページ12

「ただいまぁ……って、分かんねぇか。
だってさぁ」


「囲まれてるんだもんなぁ」


月影Aは鬼殺隊員に囲まれていた。
自分の仲間に刀を向けられているというこの状況は
死柱にとって面白おかしいのだろう。


ま、隊服無くしちゃって着てないし、
無理もないか。おまけに腰には刀もあるしな、
と死柱は合点承知と言いそうな顔をした。


「そんな険悪そうな顔しないでくれよ」
？「怪しい人物ですし、
ここで息の根を止めますかね？」
「あらら、そんなことをべっぴんさんが
言っちゃダメよ」


蟲柱、と呼ばれる女は鬼殺隊員に
囲まれている死柱にそう言った。
怪しい人物と言っている時点で死柱が
鬼殺隊員だとは知らないのだろう。


「私は月影A。知らないかい？
昔は皆知ってたんだけどねぇ…」
？「存じませんし、興味もありません」


ニコッと笑う蟲柱に死柱は刀に手をかけた。
蟲柱、そして鬼殺隊員も構える。

だが、


「これを持ってるからか？ほれ」


刀を鞘ごと蟲柱の真横に投げつけた。
蟲柱は警戒するように刀に手を取った。


？「黒刀…！？」
「とりあえず、“御館”に会わしてくれよ。
こっちは5年も山の中で過ごしてたんだ。
上司にでも会いたい。」
？「…いいでしょう。その代わり、
不審な動きをしたらすぐに殺します。」


了解、と死柱は笑った。

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