貪食と自由 ページ8
『じゃあ、斬った人の身体に傷一つ無かったのは…』
「その刀の本質が魂喰らいだからな」
「ホンマに魂喰っとったんや…」
話していると、他のよりも一回り大きい蝶がふよふよと飛んできた。なんか、やたらくっついてくる…。
「…レイラ、君は本当に彼女のことが好きなのだな」
『…？この子は？』
「崩壊した世界で唯一生き残った女神、レイラじゃ」
『生き残った女神…どういうこと？』
「彼女だけは、存在が消えなかった。神とは、そういうもの…誰かの記憶に残っていれば、生きられる存在だからな」
「あー、崩壊した宇宙でも、誰かが覚えていたから消えなかったんやな」
『…人類はおろか、生命体自体がほぼゼロ、そんな世界で生き残ったってことは…』
「覚えてたんやろな。俺らか、Aか、あるいは別の関係者が」
「その後、私のもとに来た。そうして、無数にある並行世界から、ようやくお主らを見つけ出したという訳だ」
『へぇ』
「宇宙が崩壊する時、彼女はレイラに、1つの力を渡した。それは、「自由に生きる力」。それは、彼女の刀が持つ力でもあった」
『妖刀だし、それくらいはあるよね』
「もっとも、その力は刀の能力であるとともに、彼女が持っていた力のうちの一部でもあるが」
『ふぅん…ん？それって、刀につくとどうなるの？』
「見た方が早い。レイラ、見せてあげなさい」
ふわり、と蝶が刀の鍔に留まり、刀が淡い光を帯びた。
光が収まった後、刀は蝶のペンダントトップに形を変えた。
『えっ』
「お前の意志によって、黒蝶は形を変える。装飾品は勿論、武器としての形だって変わる。お前次第だ」
『うわすご、ねぇ見てみてゾム、メリケンサック』
「ﾌﾞｯ」
「…話を聞かんか」
『「すいません」』
「…彼女…管理者の能力は、先程言ったものではない」
『え、違うの？』
「先程のは鳥籠の中での能力、籠を出れば能力は失われる。しかし、管理者の能力は別物。正真正銘、宇宙の管理者が恐れる能力だ」
「どんなんなん」
「…学習し創造する能力だ」
『パソコン風に言うとコピペってことか』
「ペーストの時に中身を改良するおまけ付き」
「…やっば」
『…恐れるのも分かる、そんなんじゃね』
「じゃぁ、Aがプログラミング出来んのって」
「能力による補助が大きいだろうな」
『…あくまで補助なんだね』
「うむ。能力の使いようによっては無から何かを作り出せるからな」
『「あぁー」』
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青緑柱石(プロフ) - 更新滞ってるけど許して…許して… (2021年5月3日 10時) (
レス) id: 376185607b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青緑柱石 | 作成日時：2021年2月21日 13時
