24杯目 ページ26
まだお腹の痛みの引いていない太宰さんを国木田さんが
さっさと行ってこい‼ と、ドアの外に投げ出した。
ミノムシのようにうずくまったままの太宰さんはそのまま動かなかったが、国木田さんは無慈悲にドアを勢いよく閉めた。
「さっきのマスター、随分といい笑顔だったねぇ」
あ、与謝野
「最近太宰さんがウザ・・・ 面倒くさくてつい」
「いいねあんた、気に入ったよ」
そう言って与謝野医師は私のところに来て私の肩を抱いてきた。
「なぁ、今度あんたの酒場に行くからさぁ、いい酒用意しといとくれ!」
「はい、お待ちしていますね」(ニコッ)
(ジーーー)
与謝野医師が私をじっと見つめてくるんだけど。
(デジャヴ)
「あんた、無理しなくてもいいんだよ?」
「え、な、何が、ですか?」
「そぅいう敬語だよ。妾らが年上だからってそう畏まらなくてもいいよ」
(う〜ん、デジャヴ)
「・・・それ、太宰さんにも同じこと言われました」
「だろう?」
与謝野医師は悪戯っぽく笑った。
すると後ろから国木田さんが与謝野さん、と制止する声が。
「店主は当たり前の礼儀をしているだけです。
それこそ無理に直させなくても・・・」
「国木田ぁ〜、君は全然わかってない!」
「どういうことですか、乱歩さん?」
社長室の中から乱歩さんと社長が出てきた。
国木田さんは姿勢を正して二人を出迎える。
「マスターは本当はもっと僕らと対等に話し合いたいと思ってる。違う、マスター?」
乱歩さんは私の方を向いて笑顔で言った。
その時私は全てが納得いった。
(そっか・・・)
皆わかってたんだ
私が無意識に抑えていたその感情を。
だから僕君や太宰さんはあんなことを・・・
(でももっと言い方あると思うよ。与謝野医師みたいな。誤解招くよ、私みたいなクソ野郎とかの)
「しかし乱歩さん! 何事にもマナーというものが
「国木田ぁ、どっか怪我してないかい? 妾がみてあげるよ」
「いや、俺はどこも、え、ちょ! 与謝野さんっ⁉」
理屈を述べる国木田さんは与謝野医師に引きずられながら診察室へと退場して行った。
遠くで谷崎さんが怯えながら
国木田さん・・・、と呟いた。
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Wiyu(プロフ) - 続編行きました! 更に亀になると思いますが宜しくお願いします!!! (2018年9月23日 3時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
Wiyu(プロフ) - イゼッタさん» いえいえ気にしないでください( ´ ▽ ` )b (2018年8月29日 0時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - Wiyuさん» 読み返しました!変なこと言ってすみませんでした!! (2018年8月29日 0時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
Wiyu(プロフ) - イゼッタさん» 会話文は基本「」なので問題はありません (2018年8月28日 7時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - 最後の方夢主のセリフが「」になってますよ! (2018年8月28日 3時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Wiyu | 作成日時:2018年6月19日 17時