酒場のマスターはトリッパー

22杯目 ページ24

「嫌だぁ・・・ もう嫌だ・・・」

どうしてだ・・・

「社長は何処だ、早く出せ！」

どうしてこうなった・・・

本来なら敦君と太宰さんと国木田さんがいる、あの、あの場所に隠れて谷崎さんの勇姿をスマホのカメラに収めるはずだったのに・・・！

何故か私の現在地は谷崎さんの腕の中。。









遡ること数時間前ーーーー

コンコンと店のドアがノックされた音を聞き、私は小走りで向かい、ドアを開けた。

「やぁ、おはようマスター」

「おはようござ

(ジーーー)

「・・・おはよう、太宰さん」

何故か太宰さんに対してだけ敬語が抜け切らない私。

毎回これは面倒いから、努力して直そうとしてはいるんだけどねぇ。

「いよいよ今日が入社試験かぁ・・・！」(キラキラ)

「マスターが受けるわけでもないのに、随分と嬉しそうだね」

「そりゃそうだよ！ だって入社試験だよ！
谷崎さんがナオミちゃんを人質にとって、あぁその前に国木田さんと太宰さんの茶ば・・・ 大喜利もあるし、でもでも流石にそれは見れないし・・・」

「もしもしマスター？ 一人で何ぶつぶつ言って

「そうだ太宰さん！ 敦君呼びに行く時盗聴器付けてってくださいよ！ 私太宰さんのヘッドホンで聞いてますから‼ あと録音する機械もできれば・・・」

「ストップストップ！ マスター、なんかストーカーみたいなこと言い始めてるけど大丈夫⁉」

「大丈夫です！ もぅ楽しみすぎてテンションがどうにかなってるだけですからっ‼‼‼」

「・・・そうかい？ ならいい(？)のだけど。。
それとまた敬語だよ、私悲しいよ」

「あっ！ ご、ごめん・・・」

私のオタクパワーに気圧された太宰さんはちょっと引き気味である・・・。

「では、行こうか。我らが武装探偵社に」

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