酒場のマスターはトリッパー

21杯目 ページ23

水を一杯飲んだ太宰さんは正気・・

もとい、冷静さを取り戻したようだ。

「さて、マスターも私のお願いを理解してくれたことだし

「ねーよ、話を逸らすな」

太宰さんは右手の人差し指を私に向け、

それだっ、と呟いた。

文豪の方々はフレンドリーな関係をお望みらしい。

「本題に入ろうか、マスターも分かっているのだろう？」

「はi

(ジーーー〜)

「・・・うん、」

敬語になるたび太宰さんがムスッとした顔で睨んでくる・・・

「あれから4日が経った、虎の正体は？」(ニコッ)

「敦という名の少年だったよ、彼は異能力者だ」

敦君！

キターーーー‼

「太宰さん

(ジーーー)

「・・・名称は変わりませんからね」

「ーーーッチェ」

「舌打ちやめい」

面倒臭い！

「明日あるんでしょ、入社試験」

「あぁ、それを伝えるよう今日社長に言われてね。
まさかマスターにだったなんてね」

あれを見ずして文ストは始まらん！

いやホントは？ 敦君と太宰さんの出会いの場面とか、茶漬けのシーンとか、虎のシーンとか諸々見たかったよ？

けど私には店とあれとこれとそれがあるから・・・！

はい、今んとこ店しかないです・・・。

あそこで出て行ったら色々ややこしくなるから。

え、空いてる日何してたか？

色々買ったんですよ。

ネットとか、ペンタブとか、スマホという名の文明の利器を・・・‼

「ただ試験の日を教えてくれ、じゃないよね？」

「流石太宰さん、分かってるじゃん。






私を試験当日、探偵社に連れて行って‼」

22杯目→←20杯目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す