酒場のマスターはトリッパー

5杯目 ページ6

いやぁ、まさか師弟コンビで来るとは。

お酒を用意しながらそんな事を考えてる私。

ホント思わないよね・・

「どうぞ」

そのお客様は一口飲み

「ふむ、偶にはカクテルも悪くない」

「ジィさんがカクテルなんて洒落たもん飲むとは、なぁ銀？」

(コクッ)

ホント思わないよね

「酒の知識もロクにない若造に言われたくはないな」

黒蜥蜴ーーーー‼⁉

「仲がよろしいんですね」(ニコッ)

「同じ仕事仲間でね」

「お二人はどうします？ ソフトドリンクもありますが」

「いや、俺は漢らしくガツンとした酒を！」

「・・・」

銀ちゃん何か言って

「えと、じゃあそちらのお客様ノンアルカクテル・・ とかは？」

(コクッ)

「分かりました」(ニコッ)

今度筆談用に紙とペンでも用意するか。

「おぉい銀、注文の時ぐらい声出せよ！」

(チャキッ)

「ぁ"？ やんのか？」

何か二人とも、武器出す音聞こえましたよ？

今丁度お酒選びで反対向き・・・！

「ヤメろ馬鹿ども、酔いの最中に惨殺されたと報告されたいか・・？」

このやり取りよく聞くなぁ〜。。

この前もドラマCDで聞いたわ。

温泉で溺死、そんな報告されたらマフィアじゃなくても一生の笑いもんだよ。

「すまないマスター、馬鹿どもが煩く」

「いえ、お気になさらず」(ニコッ)

むしろもっとヤレ。

「お待たせしました」

「おっ、丁度か？」

「・・・」

立原さんにはまあまあ強いお酒を、

銀ちゃんにはピンクや黄色が鮮やかなノンアルカクテルを。

立原さんは一気飲み。

銀ちゃんは

うん、まぁ取るよね、マスク。

普通にゴクゴク飲んでます。




「ではマスター、会計を」

「ここの支払いはご存知ですか？」

「何か情報を言えばいいんだろ？」

「はい、その通りです」(ニコッ)

広津さんの方を見て、

「そちらのお客様からは既に頂いてます」

「このジィさん何か言ったか？」

あぁー・・

「"酒の知識もロクにない"・・・」

「はぁ"⁉」

「確かにアレは事実。よく覚えてらした」

「ノーカンだろあんなのっ‼」

自分の注文思い出してみ。

あとあの度数を一気飲みしたあんたも凄い。

「何か情報、ございますか？」

「ーーチッ」

舌打ちした立原さんの顔はすっごい不機嫌丸出し。

「仕方ねぇ、俺達はポートマフィアの黒蜥蜴だ‼‼」

うん、知ってる

からさ、

両隣、見てみ。

「立原、お前・・」

(・・・)

御喋りは最初に死ぬ、それがマフィアの掟

って、紅葉の姐さん言ってましたよ。

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