鏡の国のティーパーティ (ページ18)

今日:14 hit、昨日:2 hit、合計:16,396 hit

提案ページ18

VL「提案がありますの！」

ヴェールちゃんは楽しそうに、でも瞳の奥にほんの少しの狂気を込めて私達をみた。

MP「じゃ、いいですか。お互いのチームの歌で、先に歌えなくなった方が負け。負けた方は優勝組の1週間のシフトを変わること。魔力は制限なし、何を使うこともいとわない。いいですね？」
「ハァ…。やってあげるわ。ヴェールちゃんの頼みだもの。」
EF「めんどくせぇ、早く終わらせんぞ。」

歌声に秘められた魔力で戦うことになったらしい。確かにヴェールちゃんはもともと聖堂の鐘。音こそが魔力の根源。彼女にとってこれで負けるのはかなりきついことだろう。でも、私達、否、ジョーの休暇を取るためにはここで勝つしかない。

EF「スキャターって、魔力あんのか？」
「少しくらいはあるんじゃない？」

彼女立派なヴィランズだし。

V「それじゃ、万が一のために結界を張るよ。」
「えぇぇ…そんなことになるわけ？」
EF「なり兼ねねぇよ。なんせ相手はビックマリー、聖なる鐘だぜ？こっちはヴィランズ。俺らが恐れる光をヴィランズながらに持ってんだ。」
VL「頑張りましょ、スキャターさん！」
S「は、はいっ！」

部屋の中に結界が張られる。

あまりの静寂に故郷を思い出し、安堵から思わず元の姿に戻りそうになるのをこらえて合図を待つ。

V「じゃ、用意、action。」

どちらから歌い出すかは決まっていない。

緊迫した空気の中、一番に口を開いたのはジョーだった。

EF「おいおい、聖なる鐘さんよォ、聞いてねぇぜ。場所を変えるなんてよォ。」
「場所が変わってるの…？」

周りを見渡せば結界の外にステンドグラスが見えた。要するにここは。

「ノートルダム大聖堂…！」

ここではヴィランズしかいない私たちにとって不利以外の何物でもない。

ここまで本気でかかってくるとは。

EF「俺らも本気でかかるか。」
「だね。」

反撃はここからだ。