黒闇の呪術師 ページ9
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それからもAは極力目立たずに過ごしながら、様々な本を読み漁ることで知識を吸収した。薬草や毒草の見分け方、魔法薬の調合、人や動物の治療法といった具合に。
そんな一方でAはグレート・セブンの石像に対して妙な既視感を覚えていた。見たことがある気がするが、どうしても思い出せない。ひとつだけ確実なのは、自分が彼らに好印象を抱いていることだけだった。
まもなくしてAは元よりあった知識とこの世界で得た知識を武器に治療師となり、様々な人々を治してまわった。主に訪れる国は夕焼けの草原である。
この国は獣人の先祖の動物を尊重するため『自然との共生』を謳っており、大都会にも関わらず雨乞いという古いやり方をしている。だがそれを『美しい』と思えるのは生きるための水に困ることのない王族や富裕層のみで、スラムなどの貧困層からすれば死活問題である。事実、病気にかかる者の多くは汚染水によるものだった。
Aは貧しい人々を死の淵から救い、人々もまた謎の治療師を尊敬するようになった。それから一ヶ月後が経たぬうちにAの名は『暁光の都』だけに留まらず、王宮にまで広まった。
さらに数ヶ月が経ち、Aは以前までにはなかった力に目覚めていた。その力は対象を狂わせる一方で病を治し、時には死者の魂を呼び寄せることもあった。そして一方の命を使い、他方を死から蘇らせるという禁忌も。
短い期間で力を得たのには魔導書のひとつが関係していた。現実ではほんの数分でも、その本の中で過ごす時間は数年にも及ぶ。長い歳月はAに力を与えると同時に、元の世界への執着をすっかり取り去ってしまった。
クロウリーはAの変化に驚きつつも、心から喜んだ。いまやAは治療師であると同時に呪術師となり、ツイステッドワンダーランドでも広く活躍することとなったのだ。
Aは貧困層の多くの人間から『A様』と崇められ、同時に、学園内でもAの名を知らぬ人間は皆無となった。
好戦的なサバナクロー寮生の何人かがAに勝負を持ちかけたこともあったが全員見事に返り討ちにされ、今では面白いことに友人関係となっている。寮長のレオナまでもがAを認め、寮内への立ち入りを許しているというのだから驚きだった。
そして某日。教師たちの話し合いの結果、正式にナイトレイブンカレッジの生徒として学園に通う権利がAに与えられることとなった。
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リー・マキトータ(プロフ) - 珠梨さん» 大爆笑しました🤣 ちなみに読みは『エウシーダ』で、二つのスワヒリ語を合体させた造語です。 (4月1日 14時) (
レス) id: 042fe54ac4 (このIDを非表示/違反報告)
珠梨(プロフ) - タイトルを入試だ☆と読んでしまった自分は…… (4月1日 14時) (レス) @page2 id: ac62a72ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リー・マキトーマ | 作成日時：2020年2月28日 9時
