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引き金 ページ42

「実力があったって、努力したってどうしようもねぇことがこの世の中にはいくらでもあんだよ。現にラギーはこの俺に手も足も出ねぇ。可哀想に。憐れだよなぁ……」

 こうしている間にもラギーの体には亀裂が広がっていく。もっとも信頼していたはずの後輩の命を奪おうとしていることに気づいているのか、それすら分からないほどに理性を失ってしまっているのか。

 どうにかしてラギーを助けなければ。誰もがそう思ったが、圧倒的な力の差にその場から動くこともままならなかった。――ただ一人を除いて。



「もうやめねぇか!!

――『月夜を破る遠吠え(アンリイッシュ・ビースト)』!」

 

 突如、巨大な白い狼が現れたかと思うとレオナに飛びかかった。そのことで隙のできた彼にすかさずリドルが魔法封じの枷をかけ、ケイトはすぐさまAを抱えて走る。デュースたちはラギーを救出し、セベクとシルバーは寮長の攻撃で負傷したサバナクロー寮生たちを外へ運ぶためにその場を去った。

 狼の正体はユニーク魔法で変身したジャックだった。彼は人間の姿に戻ると、レオナに思いの丈をぶつける。

「レオナ先輩……俺はあんたに憧れてこの学園を目指した! 俺の憧れたあんたは、どこに行っちまったんだ!?」

「勝手に俺に夢見てんじゃねぇ……うぜぇな……」
 
「ボクも人のことを言えた義理ではないけどね」リドルが言う。「今のキミは見るに堪えない。謹慎部屋に入って、少し頭を冷やすといい!」

「……お前らに何が分かる? 兄貴みてぇに俺に説教たれてんじゃねぇよ」

「お主のような男には、王冠よりその首輪がお似合いじゃ。サバンナの王者のライオンが聞いて呆れるわ」

 さらに追い討ちをかけるようにリリアが言った。

「お主は持って生まれた才や順序のせいで王になれぬと嘆いておるようだが……報われぬからと怠惰に生き、思惑が外れれば臣下に当たり散らすその狭量さ。その程度の器で王になろうなどと、我らの王マレウスと張り合おうなどと、笑わせる。

 たとえマレウスを倒したとてその腐った心根を捨てぬ限り、お主は真の王にはなれんだろうよ!」

哀しき獣→←恐ろしい力



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リー・マキトータ(プロフ) - 珠梨さん» 大爆笑しました🤣 ちなみに読みは『エウシーダ』で、二つのスワヒリ語を合体させた造語です。 (4月1日 14時) (レス) id: 042fe54ac4 (このIDを非表示/違反報告)
珠梨(プロフ) - タイトルを入試だ☆と読んでしまった自分は…… (4月1日 14時) (レス) @page2 id: ac62a72ef1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リー・マキトーマ | 作成日時:2020年2月28日 9時

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