魔法は本当に存在する ページ5
「魔法……？」
「ええ！ ツイステッドワンダーランドきっての名門校ですよ」
仮面の男性――学園長ディア・クロウリーは誇らしげに言った。
混乱を極めたAはまず一旦目を閉じて記憶の綱を探り、投げ出されたそれを掴む。そしてこの場所へ来る前のことを思い出した結果、これはきっと何かのドッキリだと結論を出した。そうでなければ現代日本であんな大層な馬車を拝めるわけもない。おまけにAは非科学的なことを信じる性格だったため、意識を失ったのは催眠術か何かをかけられたからだろうとまで推測していた。
「ここは舞浜、ですか？」
「まいはま？」
ツギハギ帽子の男性――サムが首を傾げる。これも演技だろうか。
「君、どこから来たんだい？」
「舞浜……日本です。ジャパン」
日本語が通じる時点で言い換えも意味はなさないとは思ったが、サムはどちらの呼び方も聞いたことがないようだった。
「あの……お二人は魔法が使えるんですか？」
「試してみますか？」
クロウリーは少しイタズラっぽく笑い、手にした杖の頭をAに向ける。そうして繊細なものを持ち上げるような動作でゆっくりと杖頭を上げた。すると、その動きに合わせるかのようにAの体がゆっくりと浮く。
これには流石のAも仰天した。自身に魔法をかけられるのは派手な魔法を見せられるよりも説得力があるもので、たちまちAは今いる世界が『本物』だということを理解した。
「驚くのも無理はありませんね」
Aをそっと地面に下ろし、クロウリーは微笑を浮かべる。サムとは違って顔半分が隠れているために感情が読み取れず、得体の知れない人間だという印象が強かった。
見回してから今いる部屋もかなり独特な場所だということにAは気がついた。壁際にはピアノ、その横の机にはアフリカの部族のものにも似た不気味な仮面が置かれており、奥には薬や本の並んだ棚に振り子時計、その前の台には地球儀や天秤、蝋燭などがある。おそらく店なのだろうが、まるでコレクターの部屋のようだ。
何故、突然見知らぬ世界に飛ばされたのかは分からないが、戻るのはもう少し後でもいい。Aはそう思っていた。
購買部『Mr.Sのミステリーショップ』を後にしてからクロウリーはAを連れ、本校舎への道を進んだ。元の世界へ帰る手段は今のところなく、帰還の方法が見つかるまでAは学園に住まわせてもらえることになった。
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リー・マキトータ(プロフ) - 珠梨さん» 大爆笑しました🤣 ちなみに読みは『エウシーダ』で、二つのスワヒリ語を合体させた造語です。 (4月1日 14時) (
レス) id: 042fe54ac4 (このIDを非表示/違反報告)
珠梨(プロフ) - タイトルを入試だ☆と読んでしまった自分は…… (4月1日 14時) (レス) @page2 id: ac62a72ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リー・マキトーマ | 作成日時：2020年2月28日 9時
