検索窓
今日:24 hit、昨日:5 hit、合計:270,614 hit

無謀な決闘の結果 ページ20









 翌日。二人の新入生が寮長に決闘を挑むという噂はあっという間に広がっていたようで、ハーツラビュル寮にはたくさんの見物人が集まっていた。

「エースちゃんとデュースちゃんが寮長の座をかけてリドルくんに決闘を挑むって!? マジで言ってんの?」

 トレイから図書館でのことを聞いたケイトは驚愕する。

「俺も止めたんだが……」

「ったく、無謀なことすんなぁ〜。面倒なことにならないといいけど」

 クロウリーが挑戦者の二人の名を挙げ、エースとデュースの首から魔法封じの枷が外される。

「一人ずつ相手にするのも面倒だ。二人まとめてかかっておいで」

 リドルが言うと、寮生たちがヤジを飛ばした。

「いいぞー! 寮長!」

「軽く捻っちゃってくださーい!」

 Aはため息をついた。彼らは寮長に無謀な決闘を挑んだ二人が惨敗する姿を見て安心したいのだろう。『自分はコイツらよりマシだ』と。逆らえないから、それしか自分の心を満たす方法がないのだ。

「私の投げたこの手鏡が地面に落ちて割れたら、始まりの合図です。では……」

 小さな手鏡が学園長の手から空中に放られ、落下する。ガラスの割れる音が聞こえるや否や、

首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)!」

 リドルが唱え、エースとデュースの首に枷がはめられた。あっという間だった。

「くっそぉ! 魔法を具現化させるヒマもなしかよ!」

「ここまで手も足も出ないなんて……」

 ユウは「何が起こったのか見えなかった……」と呟き、Aは内心『やっぱりか』と思って再度ため息をついた。やはり積み重ねてきたものの重さが違うのだ。

「五秒もかからなかったね。やっぱりルールを破る奴は、何をやってもダメ。お母様の言う通りだ」

「確かにルールは守るべきだ。でも、無茶苦茶なルールを押しつけるのはただの横暴だ!」

 デュースが反論する。

「ルールを破れば罰がある。そして、この寮ではボクがルールだ。だからボクが決めたことに従えない奴は首をはねられたって文句は言えないんだよ!」

「そんなの間違ってる!」

 ユウも声を上げたが、「間違ってるかどうかも、全部ボクが決めることだ!」と一蹴される。

侮辱は許さない→←あくまで推測にすぎないが……。 



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (157 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
294人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リー・マキトータ(プロフ) - 珠梨さん» 大爆笑しました🤣 ちなみに読みは『エウシーダ』で、二つのスワヒリ語を合体させた造語です。 (4月1日 14時) (レス) id: 042fe54ac4 (このIDを非表示/違反報告)
珠梨(プロフ) - タイトルを入試だ☆と読んでしまった自分は…… (4月1日 14時) (レス) @page2 id: ac62a72ef1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リー・マキトーマ | 作成日時:2020年2月28日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。