【REBORN】私が形成した私で生きるために

+２１３+突き抜ける衝撃 ページ18

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慣れるまではツーハンドで良い。


グリップの上の方を隙間なく握れ
親指と人差し指の指間部の深い所に押し当てろ。


最初のうちは早撃ちなんてカッコつけたことは出来ねぇんだ
だから発砲する、その瞬間まで引き金に指は掛けんじゃねェ。


引き金に関節まで引っ掛けるな、引き金を引くのは指の腹だ。


肘を軽く曲げろ、じゃねぇと反動が肘を通り過ぎて肩に直接来るぞ。


銃身の真ん中がそのまま腕と一直線になるようにしろ。


真正面で構えるな、利き手側の足を引いて構えろ。


高いトコ握ってれば反動を受け止められる。
反動に負けてマズルジャンプさせんなよ。





いつの間にか指示棒に変化したレオンを使って
指摘箇所をべしべしと叩きながら１つ、また１つと付け加えられ
彼の口がようやく噤まれ、言葉の嵐が止んだ。

大きく溜息を吐いて肩を落とし、一時休憩
と言いたいところだが、そうもいかない。


なにしろ、やっと形が出来上がっただけなのだ。



「それは俺がだいぶ前に使っていたやつを少し改造したベレッタだ。
サイレンサーなしで音を限りなく抑えるようにしてある。

だから安心してぶっ放していいぞ。」



あいにく、様々な雑学をかじっているが
銃器については流石にからっきしだ
ベレッタ…と言うのはこの銃の愛称でいいのだろうか。

それにさらっと言ってのけるが
サイレンサーなしでも音を抑えてるって…どんな技術力だ。


マフィアってそういうものなのだろうか。


いつの間にか着色された木を指差して
「ぶっぱなせ」というが、彼の指導は基本的に「まずはやってみろ」なんだな。

沢田くんの気苦労の一片を知ることになるとは。
まぁ、私と彼の違いを挙げるなら赤ん坊くんに対する諦めの早さだろう


無茶苦茶、だとは継続して思っているが
文句の一つも口に(・)は(・)漏らさず
方向転換で一度解いた構えを、その木に塗られた印に向かって再度。


１００ｍ程離れた目標に狙いを定めて引き金に指の腹をかけた。

らしくもなく心臓がどくどくと脈打つのを感じながら
少しずつ、じわじわと力を込めた指先と比例して撃鉄がゆっくりと傾いていく。


指先に最後のひと押し、と力を込めれば引き金はカチッと音を立てた。


それをかき消してしまうような銃声が、おそらく本来よりも控えめに響き
手の内に収まった黒い塊から波及するように衝撃が走り抜ける。

音の大きさが控えめかどうかなど
本物の銃を見たことがない私には到底分かりかねるが。

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