+２１４+世界一の賞賛を ページ19
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構えていたはずの右手、支えていたはずの左手
そのどちらもブレて手首が最初の所定の位置に比べ高く跳ね上がっていた。
脳内は妙に冷静に、落ち着き払っていて
「あぁ、これが彼が言っていたマズルジャンプか」なんて考えている。
が、赤ん坊くんに「お前もそんな顔をするんだな」
と言われるくらいには、この一瞬に対して私は呆気にとられているらしい。
事実、彼に見せられたレオンの変化した鏡を覗けば
彼の言うとおり私の顔は相当間抜けで
目を零さんばかりに見張って、口は中途半端に隙間を作っている。
肝心の弾はと言うと、木を捉えるまでは出来ていたが
フロントサイト、リアサイトを通して狙った印の真ん中からは高くズレており
印の上辺ギリギリ、近寄ってから再度確認すれば左右差も生じている。
『舐めていた訳では無いのですが…こんなに難しいんですね。』
「何言ってやがる。初めてのやつならもっと酷くていいもんだ。
やっぱりお前は新しいもんを持たせても筋がいいな、基礎はすぐ身に付く。」
ツナにも見習って欲しいくらいだ、と撃ち抜いた木を見つめながら言うが…
他の人の初体験は如何なものなのだろうか？
基準の不透明なものを良い、良いと褒められても実感がわかずにいる。
『そう、ですか？基準がイマイチ分からないのでなんとも喜びにくいのですが…』
思ったことをそのまま口にすれば
赤ん坊くんはくるりと９０度向きを変え、こちらを真っ直ぐ見つめ、口を開く。
「世界一のヒットマンの言葉が信じられねーか？」
堂々とそれを言い放つ彼は本当に、かっこいい。
心から思った。
そしてその賞賛は彼の人柄をもってして、私にとっての事実となった。
彼の腕と彼の誇りを前に、虚言の賞賛など…
そんなくだらないもの、彼は私になげかけてくれやしないだろう。
途端、ほわっ…と心のうちが暖かくなる
基本的に独学のみで推し進めてきた今までの鍛錬と違って
今回は協力を前提に師を付けてもらい、指導して頂き、人に…褒められた。
今までにあまり無かった経験に少しこそばゆさを感じながらも
それに対して不快感などは、まるで無く「いいえ、信じます。」と答えた
…それに対して彼の笑みがより一層深まって
不敵な笑み、というよりニンマリとした笑みになった。
だが、言及するのはよしておこう
経験則として、ろくな返答は返ってこない。
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優波 - お話とても素敵です！続き楽しみにしています。更新頑張ってください！ (12月26日 0時) (
レス) @page31 id: bb04c2cc27 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - 蜜柑さん» 先の見通しを立たせるのに時間を要し、お返事も先延ばしにしていてすみませんでした……。また少しづつ書いていけたら、と思っていますのでお暇な時にでも覗いていって下さったら幸いです。 (2022年4月25日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - お稲荷さん» お時間をいただく返事、更新で申し訳ありません。先の展開に少し見通しが経ったのでまた時間がある際に更新していくので宜しければまた覗いていってくださいね (2022年4月25日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - とても面白く一気読みしてしまいました！！次の更新も楽しみに待っています！ (2022年2月27日 11時) (レス) id: 33c0f3033a (このIDを非表示/違反報告)
お稲荷(プロフ) - 設定やストーリーがとても自分好みで、つい何度も読み返してしまうほどのお気に入りの作品です。更新再開を楽しみに待ってます！ (2022年2月11日 11時) (レス) @page14 id: 12617f35c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2021年8月14日 19時
