+１８８+甘受する ページ43
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この不満をぶつける先として目の前の彼は不適切と分かっている。
行き場を失った不満はひとまず本日何度目かも分からない深い溜息に変えて排出。
…というか、どう考えても説明段階は赤ん坊くんがくるべきだったでは？
前髪と右脇の髪を荒々しく掻き上げてそのまま頭を押さえる
『…もう聞くだけで頭が痛くなりそうなので説明は結構ですよ』
これ以上聞いていたら本当に日が暮れてしまう。
雲雀邸に着いたのが日が下り始めた正午過ぎだというのに
時計はそろそろ１６時を示そうとしている。
私の任された風、とやらが
他のもの以上に変わりものというのが原因の１つだろうけれど
それにしたって、背景や経緯が紆余曲折しすぎていて一般人では理解しがたい。
風「そうですね、話は終わりとします。…あとは、貴女が答えるのみです。」
その一言に一気に体温が下がった気がした。
言葉に冷気でも含まれていたのか…いや彼の言葉には同情という生暖かさすらある。
でも凍えるような、震えてしまうような感覚に陥る。
遠回しに回避していた回答。
いい加減自己決定ができるようにならねばと思っていた。
でも、最初の選択がこんなにも規模が大きいものになるなんて
自分で背負うリスクが自分の命だなんて聞いていない。
でも、私が戦わねばならない理由が明確にあった。
あぁ、今すぐにでもこの手に収まる指輪を工具で叩き割ってしまいたい
手元に収まる銀色の光を反射させる宝が腹立たしくなってきた。
「貴女を…」
押し黙る私に嫌気でも刺したのだろうか。
口を閉ざしていた彼が口を開いた。
「貴女が勝てるように、生きられるようにするために私が来ました。
私ができる限りであなたを強くします。
私が手助けできるのは武術に関することばかりですが…。
それでも、私の全てをかけて、貴女が生き抜けるようにしていきます。」
最初に思ったこと。「みっともない。」
私はいつまでズルズルと、周囲に迷惑をかけて息をしているのだろう。
関係がない、と言ったらなんだが第三者の風くん
そんな彼がわざわざ私のために派遣され、こうまで言ってもらって…。
何より、私は彼の隣に立ちたかったはずなのに
彼はきっと、ただただ強さを求めて戦いに向かうはずなのに。
…私は？私は、どうしたかったの？
『どうか…よろしく、お願いします』
悩んでいる間に口を潜り抜けたのは了承の言葉だった。
気が付けばギュウッと握りしめた聞き手は指輪の凹凸で跡ができていた。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
