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「それにしても、A」
沢田くんを見つめていた私に
改まったように声をかけてきた彼のベッドの上に立つ赤ん坊くん
短く返事をすれば視線を下に落とした。
リ「お前なんで素足なんだ？」
『…ん？』
突然の素っ頓狂な質問に思わず少し固まってしまった
やっとのことで漏らした声も、なんとまぁ…間抜けなことか。
でも、今更ながら病院なら履物くらい備え付けられていただろうに
探すことすらせず、何よりも先に彼を探しに徘徊してしまった
自分が素足であることを今更、しっかりと知覚したためか
やたら床が冷たく感じ、足元が少しばかり寒かった
…まぁ、あの時の温度に比べれば気にもならない程度だが
『…あぁ、履物を探す前に恭弥さんを探しに行ってしまったんですよね』
そのままの事実を口にすれば、何故か赤ん坊くんは少し顔を歪めた
今の言葉のどこかが彼にとって不快感を与えた
あるいは気になる発言だっただろうか？
その表情から読み取れる彼の感情を思い浮かべ
つい今しがたの自分の発言を復唱するように脳裏で唱えた。
それでも答えは見つからず
彼が微差程度口を動かした時点で考えるのはやめた
「お前の行動の基本は、やっぱり雲雀なんだな」
数秒前と同じように声のトーンを落とし、話した
しかし、私からしたらその言葉は特におかしな点はなく当たり前とも言えた
疑問符はぬぐえないままに「えぇ、」と答えた。
すると彼は私と視線を真っ直ぐに混じえて
ブラックスピネルのような黒の瞳で射抜くように見つめた
「否定をする気は無い、が…やっぱりどこか歪だな。」
その言葉は形式は違えど、いつかにも聞いた
存在を認知して少しした時…体育祭の日か
あの時は銃弾を撃たれた上に、この発言。
少しばかり怒りを覚えたのも、ちゃんと覚えている
『まぁ、そうなのかも知れませんね。
沢田くんたちの普通の絆を見ていると、それに嫌でも気付かされる
…でも、私はこれでいいと思ってます
恭弥さんからどこまで聞いたのか、全てを知っているのかは知りませんが
事件について、今回見た私にとって「トラウマ」と呼ぶべき事象
それらを見聞きしたのなら分かるでしょう？
私は、私という存在を生かしてくれた…
今現在でも私を生かしてくれる彼が居なきゃ、生きられない
…そういうところまで来てしまったんです。』
情けない話ではある、どんなに強くなっても
私は支えなくして、自分の足で立ってもいられないのだ
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
