+１８５+空想上のリング ページ40
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その内一方は今話の焦点を浴びていた恭弥さんの【雲のリング】だろう。
『……
「そうですね、貴方のそれは最初は含まれなかった。 」
まるで当たり前のように省かれた私の手に収まる
少なくとも恭弥さんのそれとはさほど遜色なく
劣っているようにも軽んじられるような物にも見えなかったが…
赤ん坊くんが何故これを頭数から抜いて、あとから付け足し私に任せたのか…
答えることは無い無機物に視線を注いでいれば風くんはクスクスと笑って口を開く。
発された言葉は何とも端的
かつ、もはや聞きなれた言葉だった。
風「“イレギュラー”」
『…』
その言葉は年明け、赤ん坊くんに言われ
黒曜での戦いの際にあの男…六道骸にも言われた言葉だった。
イレギュラー“irregular”:不規則・変則であること。例外
風「彼いわく、貴女を中心に例外の事態が多く存在している…と伺いました。」
『？ それは肯定しかねます。
【事】は常に沢田くんを取り巻くように起きてると私は感じています。』
そうだ。喧騒の中心には常に彼がいる。
いつからか学校内での騒ぎに彼がいて
彼の絶叫が響く度にあぁ、また望まずしてなにか騒ぎを起こして…起こされて？いるのだと。
その度に幾度となく肩を竦めそうになる。手を貸したくなる。
予想外の私の返答だったのか
一瞬「おや？」とでも言いたげにキョトンと目を丸くするが
彼は本日何度目か、ふふっと軽く笑みを浮かべ
「そうですね…言い方に語弊があったかもしれません。」と訂正を入れた。
風「正確には本来の道筋から外れた、あの男ですら予想外の事態。
…そこには必ずと言っていいほどに貴女が居た。
そのリングも、その“例外”の一つ。
貴女が任された…その“風のリング”も例に即して予想外の産物でした。」
今日の今日まで存在も知らなかった指輪のことまで
私に結び付けられるのにはイマイチ納得できない。
一方でイレギュラーという例外扱い
その言葉に不満を感じつつ何となく慣れ始めている自分はいた。
私が口角を下げ、少し口をへの字に曲げている最中にも
風くんはそのまま言葉を続けた。
その話の中身によって小さなへの字は大きく、疑問と共に深まった。
「…なぜなら、風のリングは元々は葬られた存在であり
記録の中だけの、もはや空想と遜色ない存在。
…本来なら永久に人の目に触れることはなかった物なのです。」
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
