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+184+天候 × 適正 ページ39

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「大空を彩り、その移ろいを補助する恵風」



「ファミリーの恵風(けいふう)に、敵を薙ぐ荒々しい颶風(ぐふう)となる変幻自在の科戸(しなと)の風」




私の手の内の指輪に視線を向けたのはほんの一瞬で
風の守護者とやらの使命を語りながら、その目が私を射抜いていた。

他の天候の際にも私と視線は交わっていた。
…が、今視線を逸らすことを許さない、その目が語るのは
私の感性が可笑しくない限りは、お前のことだ、と訴えていた。


風、風…反芻するように心の中で幾度か唱える。


一般的には耳にしないような風の名称が並べられ
それらは一応一通り、知識としては持ち合わせていた。

“恵風”とは春風の異称であり、その名の通り万物に恵みをもたらす風
“颶風”とは激しく四方から吹き荒れる風で、主には熱帯低気圧や台風を指す
風速の尺度の一つ、ビューフォート風力階級では最大階級
「大気は泡としぶきに満たされ、海面は完全に白くなる。視界は非常に悪くなる」

そして最後の“科戸の風”とはある神様の名前が由来の風の異称
罪や汚れを払うとされる神聖な風のことだった。


ゆっくり、ガムシロップを紅茶に注いだように言葉の意味を飲み込んでいく。
案外順応が良かったようで、普通ならば「なんだそれ」と
疑問符を浮かべるような突拍子もない話の内容にも
あまり違和感もわかず、単純に「そうなんだ」くらいの把握をしていた。


それらを私なりに解釈すれば赤ん坊くんの
沢田くんを取り巻く「ファミリー」のスカウトの理由が分かった気がした。

それぞれに、最適な人が幾人か。
…少なくても、彼が選ばれた理由、彼の天候には確信すらある。



『ファミリーを守護、という解釈は…少々都合よくも聞こえますけどね』


しかし利害一致の上、彼自身が必要と判断したのなら
彼はきっと先陣を切って、自身の力を余すことなく発揮することだろう。

同じ敵を持てば誰よりも戦い、理由を作りつつ見方を助ける。
…黒曜での獄寺さんなんかがいい例なのかもしれない。


風「ふふ、貴女にとって彼がそう見えたように
 リボーンも雲雀恭弥こそ、雲の守護者にふさわしいと思ったのでしょう。
同じように他5名の人間に“5つ”のリングの使命との適性を判断しました。」



【5つ】


沢田くんの…ボス用の指輪を除いて更に【2つ】足りていない。

+185+空想上のリング→←+183+7つの空



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睡-スイ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます!地道に更新頑張らせていただきます! (2020年7月9日 17時) (レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睡-スイ- | 作者ホームページ:https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09  
作成日時:2020年5月3日 14時

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