+１６９+届けられた指輪 ページ24
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雲「……。」
『あぁそれ、私の分もあったんです』
雲「なんだったの？」
『手紙も何もなく、変わった形状の指輪が１つのみです』
私の回答を聞くと、先程の私と同じようにビリビリと封を切っていく
開けた封筒を逆さにして、中に入っていたものを左手に転がす
２，３秒眺めた後に私の方に視線を移すので
私はポケットから届いた指輪を取り出し、差し出す。
入れ替わるように恭弥さんに届いた物を手渡されるので
先程自身が手にしていたものを思い出し、比較しつつ観察する
形は同じく厚みとかもほぼ相違ない。
どちらも表面は左半分のみ、右半分は欠けている
ただ…なんなんだろうか？
真ん中のマーク？みたいなものが異なっている
恭弥さんのものは一つの塊のようで
私のものは川の流れのような、右肩上がりの流れる曲線が複数だった。
雲「ん、」
短い言葉、というには余りに短い声を投げかけられ振り返る
一通り私の指輪を眺め、満足したのか
恭弥さんは指輪を握った右手を突き出すように私の方に向けていて
掌で皿を作るように両手を合わせると、その上に指輪が転がる
どうするか問えば「とりあえず持っておきな」と答え
彼も自身に届いたものを羽織っている学ランのポケットに滑り込ませた
それを見て、私も再度胸ポケットに落とす
しかし、仮に沢田くん達絡みだとしても何なのだろうか？
疑問符を頭に浮かべたまま並中へ向かって歩き出した
いつも通り一歩引いて恭弥さんの斜め横を歩いて、昇降口に辿り着く
クラスごとに配備された下駄箱、もちろん私の靴も２−Ａにある。
クラスに属さない恭弥さんは別の場所に室内用の履物をしまわれている。
そのため、いつも昇降口にて一度別れる。
去年までは校内での接触は今に比べたら少なかったため
私は教室に、恭弥さんは応接室に向かっていたが
最近は私も応接室に向かい、書類が多ければ数割受け取って教室へ向かっている
げた箱を開けて靴を履き替える
まだ登校時間には少し早い、誰も…私と恭弥さんしかいない廊下で
こちらに背を向けたまま、でも私を待ってくれる背中を追う
応接室に行くと私はコーヒーの用意
恭弥さんは風紀委員長として届けられた書類に軽く目を通す
小さなため息が聞こえなかったということは
今日は比較的少なかったのだろうか？
コーヒーを飲みつつ２人で黙々と作業を進めていく
私の作業が終わってから、彼も数分としないで書類を手放す。
本当に今日は少なかったみたい
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
