+１７２+老朋友 ページ27
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『…その見た目で“古い友人”って？』
「ふふ、聞いた通りの勤勉な女性なんですね」
その身に対して長すぎる裾を口元に添えて
クスクスと大人のような仕草で、風のように柔らかに笑った
赤ん坊くんの周りの子は大人の鼻を明かしていく子ばかりなのか？
失礼だとは思いつつも凝視に近い探るような視線を彼に注いでいると
目の前の人物から、ふと恭弥さんを連想した
よく見ると目元の流れや髪質など似通った部分があった。
今の恭弥さんに比べ、一回りも幼いその見た目から
目の前の彼→恭弥さん、ときて更に「幼い頃の恭弥さん」を連想した
私と恭弥さんが初めて会った時、私が初めて彼を見た時を思い出した
何もかもが白かった雪景色の中で見つけたあの人を。
当時のあの人と比べて一層幼い、という部分もあるが
それでも、目の前の彼は見れば見る程つくづく似てるなと感じた。
初めてあの人を見たときは
珍しく雪も積もっていて静かに雪が降っていた。
白一色の中、黒い艶やかな髪と
今よりは丸っこくて、でも目じりが少し吊り上がった瞳
白い無色の世界で、反対色で浮き彫りになっていた
視覚的にも印象深く脳裏に焼き付いた彼の姿
ただそこに立っている幼子を見るだけでも
これほどまでに思い起こされるのだから私自身が思っていた以上に
あの日の出来事は私にとって大きく、強く刷り込まれた記憶なんだろう。
「元よりかなり学習能力が高いことは聞き及んでいましたが
…想定以上でした。かなりのスピードで習得されているようですね」
一人、脳内で物思いに更けていると
その切っ掛けたる彼がニッコリと笑みながら声をかけてきた。
突然の声かけに「えぇ、まぁ…」なんて
子供相手にそっけない返事になってしまったが…
まぁ、赤ん坊くんと同じタイプの子供だし、きっと気にしていないんだろう
その物言いから察するに私の翻訳は正しく、彼の母国は中国か
元より外国語には興味があった
でも、やっぱり近くに話す人間がいると気になるもので…
中国語はイーピンちゃん、イタリア語は赤ん坊くんらに
彼らに出会ったことを切っ掛けに本格的に語学に取り組んだ。
その時、笑みを絶やさずにいた彼が少し眉を下げたかと思えば口を開いた
そんな相手の様子にどこか「やっとか」と思っていた。
現れるタイミングからして、私の「担当」はこの人だ
「彼が頭脳明晰と評する貴女のことです。
勘付いているとは思いますが“指輪”について私からお話しします。」
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
