+１５８+平行線 ページ13
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はぁ…とあからさまに溜息を零し、不服をありありと見せつけてみるが
赤ん坊くんのいつもの笑みは全くと言っていいほど揺るがない。
その新月の夜のような深い黒の、何を考えているのか
全く分からない瞳を見続けても平行線になるのは目に見えていた。
あぁ…もう。文句を言う気も失せてしまう。
観念した様に脱力して、肩を緩く落として
脳内では早く２人揃ってどこかに行ってくれないかな、なんて思っていた
「でもよ…、」
その時、先程まで言葉を詰まらせていた山本くんが口を開く
喉元にまだ何かが引っかかっているのか、と問いたくなるような
妙に力んだ声音で何事かと考えるよりも先に、彼の方を向いてしまう。
そもそも、先程まで何も話していなかったのに
「でも」という言葉は最初の一言目の選択としてどうなのか
視線が再度交わると今度は誤魔化すような素振りはないが
少し火照ったような、耳元が赤いような印象を受けた。
なんで今彼が照れるんだ、どこにその要素があった…
今日の彼は特段よく分からないな。
「さっきの笑い方はなんつーか…
ちゃんと巳國が笑ってんなぁって思えて良かったと思う」
『え…ん？そう…なんですか？』
リ「そうなんじゃねーか？」
彼の言うことがやはりよく分からなくて
私が分かってないだけで実際はそうなのか、測る基準がなくて
この会話における第三者の赤ん坊くんに視線を向けてしまう
が、彼は変わらず笑顔で答えと言える答えを返すのではなく
質問に対して疑問符で肯定に近しい返答をするだけ。
今日の赤ん坊くんはどうにも私を煽ってくるというか、意地が悪い
少々眉間に皺を寄せ、小さく口をへの字に曲げてしまう。
不可解な山本くんと、煽りや意地の悪い対応の赤ん坊くんに挟まれ
この状況で良心とも言える他の人が居ないから少しストレスすら感じている
それくらいならば文句を言えばいい、と自分でも思うが
どうにも山本くんの瞳が優しく私を見つめるから
どんなに不服でも、ストレスでも強く出る気になれなかった。
様々な感情を湛え、溜息を吐きながら
「私は恭弥さんの方に戻りますから」と言い捨て
そのまま後ろを向いて病室の扉に手をかけ、横にスライドさせた
瞬間、何かが真っ直ぐ飛んでくる
大体原因も、それに至る要因も直ぐに察しがついた
もう少し離れたところで声量を落として会話をすべきだった
喜ばしい半面、起きてそうそうコレを投げつける辺り
あぁ、あの人だなぁ…なんて。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
