【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ37)

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+８４+アホ面ページ37

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境内にやってきた沢田くんは勢いのまま私よりも数歩前に立つ。

「はい、兄ちゃん」

「うまくつれてきたな」

視線の先にいる男の子と男の会話から察するに
ひったくり目的に加えて、沢田くんに用があったのだろう

悪い意味での「用」、か

携帯を開いて、画面をワンタッチ。
そのまま携帯は利き手とは逆の袖の袂(たもと)に落とすと重量を感じる

イヤホンから流れてくる特に何の変哲もないコール
それが２度、３度目の途中にコールが止む

『私です。…えぇ、今は境内に。
中学生前後から成人も数十名。現行犯で２件目撃しています。

わかりました。では』

比較的近くにいらっしゃるようだがこの人込みだ
サクサク進むのは無理なのでは？

とりあえず、沢田くんをどうするかな。
この格好じゃかばいきれないし、自力でどうにかしてもらうか

しかし、男を追いかけてきたあたり
後からやってきた男の子が持っていた箱は彼らの売り上げ。

離れてくれと言ったところで無理な話か

沢「えぇ！？なにそれインカム！？」

『そんなもの持っていませんよ。ただのイヤホンです。』

『それより、』と口にしながら沢田くんから視線を外し、右へ左へと見回す。
気が付けば男たちは私と沢田くんを囲むように立っている

今一度沢田くんの方を見やれば連中のリーダーっぽい男に絡まれている

はしたないが、瞬時に浴衣を気崩して足元の可動域を広げる

本来のなら素足を晒してしまうが前もってレギンスを着用している
これならば問題はないはずだ。

そのまま近くにいる男二名を蹴り倒す

「この女…ッ！」

「コイツ…っ、見たことある！！並中の風紀委員といた奴だ！」

先程まで舐め腐り、嫌な視線を送っていた奴らが一気に警戒し始める
その様はあまりに滑稽で馬鹿らしい。

『アホ面揃えて一斉検挙とは笑えますね』

「はっ、そんな恰好した女一人で何が出来んだ」

『えぇ、この格好では動きにくくて仕方がない。
ですが、あなた方の様な頭の弱そうな人にはお誂(あつら)え向きなハンデでは？』

小首をかしげて言えばザワザワと怒りを口々にする
分かり易くこちらに敵意を向け始める男たち

沢田くんに絡んでいた男も沢田くんを押しのけコチラに近づく

『…』

「女、調子乗るのも大概にしろよ」

目の前に立つと男は私の前髪を掴み上げてくる。

髪が抜けたらどうしてくれるんだ、としか思っていないが
触られることは事態は凄く不快感を被る。